いまも昔も個性派ぞろい!? ちょっと古めの元祖「小型SUV」5選

現在の最新トレンドのひとつといえる「小型SUV」ですが、昔から存在していたジャンルでもあります。今回は、際立つ個性を持つ、小型SUVの元祖的モデルを紹介します。

現在でも十分通用するチョイ古小型SUVに注目

 ここ最近、SUVのラインナップが充実し、すっかり主流になっています。とくに「コンパクトサイズ」と「クーペスタイル」がトレンドで、SUVというジャンルが成熟してきました。

 なかでも小型SUVは、これまでコンパクトカーの主流であったハッチバックに取って変わるほど勢いがあるジャンルです。

 しかし小型SUVは最近出てきたジャンルではなく、じつは少し前から存在していました。

 そこで今回は、際立つ個性を持った小型SUVの先駆け的モデルに注目し、ちょっと古めのモデルを5台ピックアップして紹介します。

個性的だった日産「ジューク」
個性的だった日産「ジューク」

●日産「ジューク」

 2010年のデビュー以来、コンパクトカーSUVとは思えない大胆なデザインを採用し人気を博した日産「ジューク」。

 まるでコンセプトカーのようなデザインが斬新で、Cピラーに埋め込まれたドアノブによって3ドアに見えるなど、こだわりのスタイリングが魅力的でした。

 ジュークは、日産とルノーが共同開発した「Bプラットフォーム」がベースで、アウトドア感とは無縁の洗練されたデザインを採用。

 全長4135mm×全幅1765mm×全高1565mmと全長こそコンパクトですが、ふくよかなワイドボディが新鮮でした。

 パワートレインは、メインに114馬力の1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載し、FFとCVTの組み合わせで17.2km/L(JC08モード)という良好な燃費を記録しています。

 またスポーティな走行が楽しめる190馬力の1.6リッター直列4気筒ターボエンジン搭載モデルも用意され、クロスオーバータイプの個性派SUVでした。

 2013年には、日産のレーシング部門「NISMO」が手がけたモデルが設定され、200馬力まで出力をアップ。

 さらに7速にクロスレシオ化されたMTモード付きCVTを搭載した、リトルモンスターとも呼べるグレードも用意されていました。

 2019年に国内での販売が終了しましたが、欧州ではフルモデルチェンジした2代目モデルが販売されています。

●ホンダ「HR-V」(初代)

「Small is Smart」をコンセプトに、若者に向けて新しいジャンルのコンパクトカーとして1998年に誕生したホンダ「HR-V」。

 スッキリしたコンパクトなボディと4WD車らしい車高を組みわせたコンセプトは、現在のクロスオーバーの走りともいえるものがあります。

 時代を先取りしたHR-Vは、全長3995mm×全幅1695mm×全高1590mmのボディに、105馬力の1.6リッター直列4気筒SOHCエンジン(FF)と、125馬力の1.6リッターVTECエンジン(4WD)というふたつのタイプを用意。

 SUVとしては全高がそれほど高くなく、コンパクトワゴンのようなスタイリングも特徴的で、「シティ・ムーバー」らしい使い勝手の良さが特徴になっています。

 搭載されるトランスミッションは、5速MTのほかに「HMM-S(ホンダマルチマチックS)」と呼ばれたCVTを採用し、変速ショックのないスムーズな走りを実現。

 現代のSUVのような頭上空間の広さこそありませんが、適度な車高の高さで視認性も良く、かつ見切りのいいボディで運転もしやすいのが魅力です。

 なお、デビュー当時は3ドアのみでしたが、1999年には利便性の高い5ドアモデルが追加されました。

 インテリアもSUVというよりは乗用車に近いものを感じさせつつ、ワンタッチ可倒式リアシートなどSUVとして使い勝手にも優れるなど、現在のホンダのコンパクトカーに通じる居住性の高さを20年以上も前に実現させていたのです。

 ミニバンの台頭などによって、2006年にHR-Vとしては生産が終了。現在の「ヴェゼル」がHR-Vの後継モデルに当たりますが、海外ではヴェゼルのではなくHR-Vの車名が使用されています。

●トヨタ「ラッシュ」

 トヨタには現在いくつものグループ企業がありますが、なかでもダイハツとの関係は深く、お互いの車種をOEM供給することでラインナップを充実させています。

 しかし数多くのOEM車がそうであったように、ベース車の出来がいいのにも関わらず思ったほど販売面で伸びなかった不遇のモデルが多いのも事実です。

「ラッシュ」も、なぜ不人気だったのか分からないほど、出来のいい小型SUVでした。

 もともとは、SUVの「楽しさ・走破性」とコンパクト2BOXの「気軽さ・使い勝手」、ワゴンの「嬉しさ・機能性」を融合させた新ジャンルのモデルで、2006年にダイハツ「ビーゴ」のOEM車として登場しました。

 全長3995mm×全幅1695mm×全高1705mmのコンパクトサイズにまとめられたボディは、タイヤを四隅に配置。軽量かつ剛性の高いビルトインラダーフレーム式モノコックボディを採用しています。

 搭載されるのは新開発された1.5リッター直列4気筒エンジンで109馬力を発揮し、このサイズでは珍しいFRと4WDがラインナップされていました。

 上級グレードにはリアスポイラーや16インチのタイヤ&ホイールを装備し、VSCまでオプションながら設定するなど、小型SUVとしてはかなり進化しているのも特徴です。

 スタイルもハイト系2BOXコンパクトカーを車高だけアップさせたかのようなクロスオーバースタイルで、現在でも新鮮な印象を与えてくれます。

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