予想以上の7900万円で落札! ルーフ「ターボR」のどこがスゴいのか?

さすがはルーフ! 驚愕の落札価格とは?

 ターボRでまず触れなければならないパートは、ルーフによってチューニングされたパワーユニットである。リアに搭載されるエンジンは、993型911の3.6リッター水平対向6気筒に、独自のツインターボ・システムを組み合わせたものとなっている。

●1998 ルーフ「ターボR」

650時間もの時間をかけて、エンジンなどのメカニカルなパート等々を完全にリフレッシュされたルーフ「ターボR」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
650時間もの時間をかけて、エンジンなどのメカニカルなパート等々を完全にリフレッシュされたルーフ「ターボR」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 ルーフ ターボRのエンジンは、最高出力490ps、最大トルク450Nmにまで高められ、6速MTのトランスミッションが組み合わせられている。駆動方式は電子制御によるAWDで、さらにサスペンションにハードなスプリングやスタビライザーを使用。わずかな前傾姿勢を採ることで、コーナリング時のクイックな動きを実現している。

 ブレーキもルーフによる強化型で、ルーフの伝説的1台「イエローバード」でお馴染みの黄色に塗装。エクステリアではほかに、控えめなボディキットや18インチ径のホイール、エアロミラーなどが備わっている。

 前オーナーは、デリバリーを受けると3万6902マイル(5万9388km)を走行した後、カリフォルニア州ハンティントンビーチにある、気温や湿度管理もおこなわれる倉庫に2008年から、このターボRを保管。

 以後2019年11月までこのターボRは動かされることはなかっただけに、内外装は非常に素晴らしいコンディションが保たれた。

 その後、このターボRを受け継いだ新しいカスタマーは、所有した後に650時間もの時間をかけて、エンジンなどのメカニカルなパート等々を完全にリフレッシュ。ホイールも2016年に7台のみが販売されたターボRリミテッドの19インチに変更された。

 そのレストア作業が2020年10月に終了して以来、550マイル(855km)の走行をおこなったという。

 こうして、現代に蘇ったルーフの自信作、ターボR。RMサザビーズではそのエスティメート(予想落札価格)を52万5000−57万5000ドル(邦貨換算約5440−5960万円)としていたが、結果は76万4000ドル(邦貨換算約7920万円)という、予想を大きく上回るプライスでの落札となった。

 ルーフの人気、そしてメーカーとしてどれほど認められているかがよく分かる結果であった。

【画像】ルーフと名のつく特別な「911ターボ」とは(29枚)

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