永遠のライバル「512BB」と「カウンタック」はどちらに高値がつく?

ライバル「カウンタック」よりリーズナブルか!?

 365GT4/BBは、ミッドシップ化のためにバンク角を180度まで開いた4.4リッターV型12気筒エンジンを採用し、これに5速MTを上下に重ねる形で搭載した。このエンジンの最高出力は380psであった。

●1984 フェラーリ「512BBi」

1984年式のS/N:47191のフェラーリ「512BBi」は、BBシリーズとしてはほぼ最終期に近い期間に生産された1台だ(C)2020 RM Sothebys
1984年式のS/N:47191のフェラーリ「512BBi」は、BBシリーズとしてはほぼ最終期に近い期間に生産された1台だ(C)2020 RM Sothebys

 実際の生産は1973年から1976年までおこなわれ、総生産台数は387台だったと記録される。そして1976年になるとフェラーリはこのBBにマイナーチェンジを実施した。

 車名も「512BB」とシンプルなものになり、エンジンも5リッターの排気量を得るに至った。総計で929台が生産された512BBの目的は、もちろん前で触れた排出ガス規制等への適応にあった。そのため、最高出力こそ360psへと低下してしまったが、心配された最大トルクやその発生回転数は、365GT4/BBのそれに等しい。

 さらに1981年、BBシリーズの最終進化型として誕生したのが、今回RMサザビーズのアリゾナ・オークションに出品された、「512BBi」だ。RMサザビーズでは、生産台数は1984年までの間に1007台だったと解説している。

 この512BBiでの最大の特徴は、V型12気筒エンジンへの燃料供給が、これまでのキャブレターからボッシュ製Kジェトロニックへと変更されたことだ。

 これによってエミッション・コントロールをさらに細かくおこなうことが可能になったほか、ドライバーはエンジンの扱いやすさを感じることができるようになった。最高出力は340ps、ちなみにこれは後期型の512BBと共通の値である。

 出品車のS/N:47191は、1984年式とあるから、BBシリーズとしてはほぼ最終期に近い期間に生産されたものである。

 参考までに1984年式の512BBiは、RMサザビーズの調べでは144台しか存在しない貴重なモデルであるという。またこの個体はラインオフした後にアメリカへと出荷され、16年間をカナダの著名なコレクターのもとで所有されている。その間に、9万ドル(邦貨換算約927万円)をかけて完全に整備もおこなわれている。

 その後スイスへと渡り、そこでも1万ドル(同103万円)ものメンテナンス費用をかけて、再整備をおこなったという。

 RMサザビースがつけた最低予想落札価格は、25万−30万ドル(邦貨換算約2600万−3100万円)である。

 現在の走行距離は約2万4200km。内装も素晴らしい美しさを保っている。フェラーリのコレクター、もしくは「BB派」だったかつての少年には、最高の1台といえるのではないだろうか。

 ちなみに、同じ2020年のRMサザビーズのアリゾナ・オークションに出品された1983年式のランボルギーニ「カウンタックLP5000S」の落札価格は、26万8800ドル(邦貨換算約2800万円)であった。

 BBとカウンタック、新車当時からのライバルは、オークション・マーケットにおいても、いまだに拮抗した人気のようである。

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1件のコメント

  1. フェラーリBBは今見ても艶やかで何とも美しい。クルマの魅力をそのまま形にしたようだ。
    79年頃、先輩のスカイラインGTを駆け抜けるように抜き去っていった姿は忘れられない。

    とうじのF-1は3ℓ。512が発表されたとき、雑誌モーターマガジンではチャンピオンマシンのF-1直系の水平対向エンジンではなく180°V12だと説明されていた覚えがある。365GTもV型のクランクだったのではないだろうか。

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