30年前のナウい国産車が250万円超え!? 日産「フィガロ」の極上車を発見!
“トガった”クルマを意味する「パイクカー」というジャンル。その代表格でもある日産「フィガロ」は国内専用車でありながら海外でもひそかな人気があるようです。
丸っこくてカワイイけど、トガッたクルマ? 日産「フィガロ」とは
槍のように先のトガった武器を意味する「パイク(pike)」という英単語。
学校英語やビジネス英会話ではほとんど耳にすることのないこの単語ですが、一部のクルマ愛好家のなかでは「パイクカー」という言葉の一部として耳にすることがあるかもしれません。
パイクカーとは、その語源の通り“トガった”クルマのことを指します。ただし、物理的なデザインというよりは、デザインの思想が“トガっている”、つまり前衛的であったり先進的であったりする場合に用いられます。
なかでも有名なのは、1980年代後半から1990年代前半にかけて日産から発売された、通称「パイクカー3兄弟」です。1987年の「Be-1」、1989年の「パオ」、そして1991年の「フィガロ」です。
これらは初代「マーチ」をベースに、レトロなエクステリアデザインを施したコンパクトカーシリーズであり、バブル全盛期で先進や革新性を求める当時の機運のなかにおいてカウンターカルチャーとして機能し、発売当初から絶大な人気を誇りました。
とくに、“末っ子”となるフィガロは、当初8000台の限定生産だったにもかかわらず、最終的には2万台へと増産されるなど高く評価された1台となりました。
本来であれば、「前衛的なクルマ」という意味ではトヨタ「will サイファ」などもパイクカーの定義に入りますが、フィガロのあまりの人気に「パイクカー」といえばこれらの日産車、なかでもフィガロをイメージする人は少なくないようです。
フィガロは、FFレイアウトに1リッターの4気筒SOHCエンジンを搭載します。最高出力76馬力と、かなり非力ではありますが、「パイクカー3兄弟」のなかでは唯一のターボエンジンが採用されています。
また、全長3740mm×全幅1630mm×全高1365mmというコンパクトなボディにオープントップという独特のパッケージング、そしてなによりもそのクラシカルな丸いフォルムは、見る者を惹きつけてやみませんでした。
しかし、1990年代に入り、安全基準などがより厳しくなったことで、自動車メーカーはかつてほど自由に設計をすることができなくなり、その結果、フィガロは1992年をもって販売終了となってしまいました。
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