王者N-BOXになぜ勝てない? コロナ禍で競合3社の異なる戦略 ユーザーはどこを見て比較?

実際に「どこを見て比較?」 ユーザーがライバルと比べるポイントは?

 軽スーパーハイトワゴンは人気ジャンルということもあり、各メーカーとも装備の充実にしのぎを削っています。それぞれにどのような違いがあるのでしょうか。

 N-BOXは、安全運転支援システムの「Honda SENSING」が搭載されており、障害物の検知方法に特徴があります。

 タントとスペーシアはソナーセンサーのほかに、ステレオカメラを使用していますが、N-BOXはミリ波レーダーと単眼カメラを併用しています。

 この機能が搭載されたことにより、先行者や歩行者を検知し、衝突の恐れがある場合に警告してくれる「衝突軽減ブレーキ」や、標識への注意を促し安全運転をサポートする「標識認識機能」など、11の機能で安全運転がより一層強化されました。

 また、ミラーを組み合わせて幅寄せや駐車の際の視界を補助する「サイドビューサポートミラー(ピタ駐ミラー)」というホンダ独自の人気装備が採用されていることから、N-BOXを指名買いするユーザーもいるようです。

 N-BOXは、低速の力強さと高速の伸びやかさ、燃費をバランスよくまとめたi-VTECエンジンが採用され、WTLCモード燃費は20.2km/Lから21.2km/Lとなっています。

 スーパーハイトワゴンの弱点である、コーナリングの安定性についてN-BOXは、ステアリングの操作に対して、必要に応じたブレーキ制御でスムーズに曲がりきることを支援する機能「アジャイルハンドリングアシスト」を搭載しているため、車高の高さを感じさせない走りを実現しました。

 次にスペーシアは、SUV風デザインのスペーシア ギアをラインナップにそろえているのが特徴です。

 スズキの人気車種である「ジムニー」が備えるタフさを連想させ、アウトドア派のファミリーから人気を集めています。

 装備面では、フロントガラスに各種情報が投影される「ヘッドアップディスプレイ」、車内の快適にする「サーキュレーター」などが特徴です。

 スペーシアは、全グレードにマイルドハイブリッドを搭載しており、加速時のモーターアシストでパワフルに発進することができ、さらに燃費への貢献していることをアピールしています。

 エンジンは、N-BOX同様可変バルブタイミング機構を備え、低中速の動力性能に優れたエンジンです。WLTCモード燃費で20.2km/Lから22.2km/Lです。

N-BOXやタントとは異なる派生車を設定するスズキ。スペーシアギアは、アウトドアユーザーからの関心が高いという。
N-BOXやタントとは異なる派生車を設定するスズキ。スペーシアギアは、アウトドアユーザーからの関心が高いという。

 そしてタントは、助手席側ドア間のピラーをドアに内蔵する「ミラクルオープンドア」に利便性を感じて購入するユーザーが多いようです。

 軽スーパーハイトワゴンというと子育て中のファミリーがターゲットという印象もありますが、タント特有の開口部が広いドアと、乗り降りをサポートする手すり「ラクスマグリップ」は、高齢者のいる家族にも好評だといいます。

 さらに、半ドアを自動で全閉する「助手席イージークローザー」や、ハイビームで走行中に対向車を検知すると対向車の部分のみ自動で遮光する「ADB(アダプティブドライビングビーム)」など、最新の技術を装備するのは、モデルの新しさがもたらすメリットです。

 走行性能でタントが強く押し出しているのは、ダイハツが独自で構築した新しいプラットフォームである「DNGA」に基づいたクルマづくりです。

 具体的にはアンダーボディやサスペンションの高剛性化により、車両の安定感をアップし、スプリングを柔らかくすることで、乗り心地も向上させています。

 アッパーボディでは、衝突構造の合理化・超ハイテン材の採用を拡大し、強度を上げながら大幅な軽量化を実現しました。

 WLTCモード燃費については、自然吸気エンジンが20.2km/Lから21.2km/L、ターボエンジンでは18.8km/Lから20km/Lとなっています。

※  ※  ※

 走行性能と燃費性能について、走行性能についてはN-BOX、燃費性能についてはスペーシア、タントはダイハツによると「スーパーハイトワゴンのなかでもっとも静粛性が高い」といい、同じような軽スーパーハイトワゴンにおいても、異なる方向性を示しているようです。

 また、室内や快適機能でも、N-BOXは独自のセンタータンクレイアウト、タントはミラクルオープンドアといった工夫によって室内空間の広さや使い勝手を差別化。スペーシアにおいては、SUV風モデルを設定することで、新たなニーズを獲得するなどまさに三者三様だといえます。

 軽スーパーハイトワゴンは、どの車種も商品としての完成度は高く、どれを選んでも間違いはないといえます。

 さまざまな要素が高い水準で拮抗しているなかで、それぞれが狙っているターゲット、差別化ポイントがあります。

 そういった点と自分のライフスタイル、今後のライフステージの変化をよく考えたうえで、検討するのがいいのかもしれません。

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1件のコメント

  1. 販売台数の差は
    車自体の装備や性能を比較した優劣差と言うより
    販売店側や生産都合の事情も大いにあるんじゃないかな?

    ホンダは他のNシリーズやフィットなどとはジャンルやキャラが違うので店内であまり競合せず、
    N-BOX指名買いで来る客が多いんだろう
    販売店側も人気のある1車種に一極集中しがちになってしまう販売傾向が昔からある。

    スズキはスペーシアギアの投入で台数は増えたが、
    小型車の同ハイトワゴンジャンルのソリオや、
    軽ではジャンル違いでもジムニー、ハスラーなど
    他の人気車種を多く抱えているため人気が分散してる。

    ダイハツもスズキと同様の都合もある他
    スズキ以上に軽自動車ブランド、トヨタのサブブランド的イメージが強い分
    ホンダよりブランドイメージが格下に見られがちなのもマイナス要因なのだろう。

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