残すはアウディのみ!?「4」と「6」の良いトコ取り! 5気筒エンジン搭載車5選
パワーと上品さを併せ持つ5気筒で個性を強調
●フィアット「クーペフィアット」
曲線を基調としながらもスパッと裁ち落としたリアスタイルや、タイヤに少し被るフェンダーなど、まるでコンセプトカーのようなスタイルで1994年に登場した「クーペフィアット」。
斬新すぎるデザインはイタリアの名匠ピニンファリーナによるもので、まるでワニを思わせるフロントマスクなど、スタイルについて議論されることが多かったモデルです。
このオシャレなクーペも直列5気筒エンジンを搭載していました。
全長4250mm×全幅1765mm×全高1340mmのボディに隠れるプラットフォームはフィアット「ティーポ」のものを流用。デビュー当初は2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載していました。
当時としては195馬力のハイパワーで、一時は「FF最速」の異名を取っていたのです。
そして1997年に、220馬力を発揮する直列5気筒エンジン搭載モデルが登場します。
一般的なエンジンは1気筒あたりの排気量に限界があるといわれ、パワーを確保するための手段として多気筒化することは、振動の軽減や回転のスムーズさを獲得できるメリットが大きかったといえます。
また直列5気筒エンジンは直列4気筒の安っぽさが薄れ、直列6気筒ほどスペースを必要としないメリットもあり、ピニンファリーナが手がけた独創的なボディに搭載するスペシャリティクーペに最適だと判断されたのでしょう。
マイナートラブルも多く整備性の悪さでも有名なクーペフィアットですが、現在でも通用する個性的なスタイリングで、見た目以上にスポーティな走りが楽しめる5気筒ターボを搭載したスポーティクーペでした。
●ボルボ「V40」(2代目)
ボルボといえば、ドイツともフランスともイタリアとも違う、スウェーデンらしい独自の個性と高い安全性を持つブランドとして有名です。
そしてそんなボルボのエントリーモデルとして1995年に誕生したのが「V40」です。
初代モデルは、当時の三菱やオランダ政府との合弁会社で生産され、あまり話題にはならないまま2004年に生産終了。
しかし2012年にまったくのニューモデルとして「V40」が復活。コンセプトは「ボルボの大型モデルの機能や特徴をコンパクトクラスに取り入れる」というものでした。
そのため、全長4370mm×全幅1800mm×全高1440mmの5ドアハッチでありながら、プレミアム性を高めたモデルとなっていました。
V40のなかでもベースグレードとなる「T4」には1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載していましたが、スポーティさに磨きをかけた「T5 R-DESIGN」(FF)やクロスオーバーモデル「クロスカントリーT5 AWD」には、2リッターまで排気量をアップして213馬力にまでパワーアップした直列5気筒ターボエンジンを横置きに搭載しています。
V40は2019年に生産が終了してしまいましたが、現在でも見劣りしない美しいデザイン、独自の「スカンジナビアン」テイストでまとめられたインテリアとともに、操り切れる適度なスポーティ感を堪能できる5気筒エンジンと、魅力的なモデルでした。
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パワーユニットがレシプロエンジンからモーターへと移りゆく現代において、大排気量エンジンはもはや必要のない存在になりつつあるのかもしれません。
ましてや直列4気筒でもなく、シルキーな直列6気筒でもない直列5気筒エンジンは、消滅していく可能性も否定できません。
しかしピックアップのいい4気筒と、スムーズな回転フィーリングの6気筒エンジンの長所を併せ持つ直列5気筒エンジンは、まだまだ十分な魅力があるエンジンだといえるでしょう。
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