ベントレーは稼働率50%でも過去最高の販売台数をマーク 販売好調だった理由とは?
世界中がコロナ禍の影響を受け、経済が萎縮してしまった2020年であったが、ベントレーは過去最高の販売台数をマークした。その理由に迫る。
ベントレー史上、もっとも販売台数が多かった
ベントレーモーターズは、2020年の総販売台数が2019年比2%増の1万1206台となったことを発表した。
新型コロナ前の販売台数予想はさらに多かったものの、新モデルの導入が後押しとなり、ベントレーの101年の歴史のなかで最高の販売台数を記録するという目覚ましい結果である。
それでは、ラインナップモデルの内訳はどうなっているのだろうか。
「コンチネンタルGT」(24%)と「GTコンバーチブル」(15%)が総販売台数の39%を占め、年間販売台数第1位のモデルラインとなっている。
しかしながら、先代モデルの生産終了や、新型コロナの影響による新モデルの市場参入の遅れにもかかわらず、「ベンテイガ」も単一モデルとしては最大の販売台数を誇り、総販売台数の37%を占め、販売増を牽引している。
2020年は数々の新モデルの導入と、既存人気モデルの世界的な販売増に支えられた結果となった。とくに、新型「フライングスパー」が世界各国で発売されたことも、販売増の要因のひとつだ。
さらに10月には高性能V8エンジンを搭載したモデルが導入され、これによりさらに需要が高まった。
次に販売市場別に台数を見てみよう。
アメリカの販売台数は3035台で、2019年の2913台に比べて4%増となった。アメリカはベントレーにとって最大の市場であり、フライングスパーの導入とコンチネンタルGTとGTコンバーチブルが通年で売れたことが今回の実績につながっている。
もっとも成長が目覚ましかったのは中国で、前年比48%増となり、1940台から2880台へと大きく増加した。新型フライングスパーがトラディショナルなセダン市場に受け入れられたことと、ベンテイガが継続して売り上げを伸ばしたことが要因である。
ヨーロッパでは2193台にとどまり、2019年の2670台と比べ18%減となった。これは新型ベンテイガの市場導入の遅れが影響したものだろう。コロナ禍で大きなダメージを受けたベントレーのお膝元であるイギリスにおいても、前年比22%減となる1160台にとどまった。
中東では前年852台だったところ、2020年には735台がデリバリーされた。
アジア太平洋地域では6%増となり、2019年の1139台から1203台と増加している。なお、日本での販売台数は463台(JAIA調べ)と、前年比マイナス12%であった。
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コロナ禍の影響により、ベントレーの生産は2020年3月から7週間にわたって停止され、その後9週間はソーシャルディスタンスを保つ生産方法を導入したため、50%の生産量でしか稼働できなかった。
しかしその後、生産方法の大幅な再設計をすることにより、世界的な需要に対応するとともに、ソーシャルディスタンスを保つ方法でも生産を維持することが可能になったことが、年間販売台数のレコードを更新するという結果につながったのだろう。
ベントレーは、「ビヨンド100」の戦略に従い、2030年までに完全に電動自動車メーカーになるという目標に向かって現在加速中だが、その最初の一歩として「ベンテイガハイブリッド」を発表したばかりだ。2021年はこのほかに8つの新モデルをローンチする予定なので、さらに販売台数のレコードを更新するかもしれない。
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