なぜ新型「ランクル」登場しない? SUV大国の北米で販売終了の理由とは

日本では、2021年の夏頃に登場するといわれているトヨタ新型「ランドクルーザー」(300系)。そのなかで、世界中でもSUV需要の高い北米市場では、現行モデルとなる2021年モデルをもって販売終了となることを北米トヨタがアナウンスしたといいます。なぜ、世界中でファンの多いランドクルーザーの次期型モデルは北米市場で販売されないのでしょうか。

北米市場では苦戦するランドクルーザー

 トヨタによる公式情報として、「ランドクルーザーの次期型は北米市場では販売されず、現行の2021年モデルをもって販売終了する」と現地の各メディアが報じています。
 
 トヨタが世界に誇る大型クロスカントリー車(SUV)のランドクルーザーは、なぜピックアップトラックや大型SUVなどの需要が高い、北米市場で次期型モデルが投入されないのでしょうか。

SUV大国の北米市場で、なぜ次期型「ランドクルーザー」は発売されないのか?
SUV大国の北米市場で、なぜ次期型「ランドクルーザー」は発売されないのか?

 2020年も暮れに差し掛かったころ、北米の自動車メディアではあるニュースが話題となっています。

 それは、2021年の発表が予想されているトヨタ「ランドクルーザー」の次期型モデルが、北米市場では販売されず現行の2021年モデルをもって販売終了するというものです。

 当初は販売店からの情報として伝えられましたが、後にトヨタの北米法人が各自動車メディアに対して公式に認める内容の声明を発表したことから、このニュースは確報となりました。

 自動車業界にとって、「100年に一度の大変革」などと言われる昨今においては、歴史あるロングセラーモデルであっても、販売終了となったり、あるいはまったく別のクルマといってもよいほど生まれ変わる例は少なくありません。

 トヨタだけで見ても、「クラウン」の生産終了報道が話題となったばかりです。

 しかし、現段階でトヨタは正式に認めてはいないものの、クラウンについては、「近年不人気のセダンであること」や「国内専売車であり市場規模の拡大が見込めないこと」など、販売終了を検討する妥当な理由が存在します。

 一方のランドクルーザーは、近年人気のSUVであり、世界のほとんどの市場で販売されるグローバルモデルです。

 ちなみに、ランドクルーザーのようにラダーフレーム構造をもつものは、SUVではなくクロスカントリービークル(クロカン)と呼ぶこともありますが、ここではSUVの一種として扱います。

 つまり、クラウンのような日本市場がメインとなるモデルとは事情が異なるのです。

 実際、ランドクルーザー自体は生産終了になることはなく、日本においては2021年夏頃にハイブリッド仕様を含んだ次期型モデルへとフルモデルチェンジをすることが予想されています。

 では、なぜSUV需要の高い北米市場で次期型が販売されないのでしょうか。

 北米市場はトヨタにとって最重要市場のひとつで、米国メーカーや日本メーカーなど、北米向けモデル(一部別市場にも展開)をラインナップするほど注力しており、それはSUVジャンルでも同様です。

 トヨタでは、「ハイランダー」や「セコイア」、ホンダは「パスポート」や「パイロット」、日産は「パスファインダー」や「アルマダ」、スバルは「アセント」、マツダが「CX-9」なの、そのほとんどが3列SUVとなります。

 そんななかで、ランドクルーザーは決して好調とはいえません。

 1951年に初代が登場したランドクルーザーは、派生モデルの「ランドクルーザープラド」やレクサス「LX」と合わせて、2019年までに累計1000万台を販売しています。

 近年でもグローバルでは年間40万台前後を販売しており、トヨタにとっては歴史的に重要であることはもちろん、販売上でも大きく貢献しているモデルです。

 しかし、2018年のランドクルーザーシリーズの地域別販売台数を見ると、中近東が約13万2000台と群を抜いているほか、欧州が約5.4万台、日本を含むアジアが7.4万台、オセアニアが4.6万台と続く一方で、北米市場は約3万台に留まります。

 なかでも、今回販売終了が発表されたランドクルーザー(派生モデルをのぞく)は、現地メディアによると、北米における2019年の販売台数が3536台と、極めて少ない数字です。

 この数字自体は2018年よりも伸長していますが、年間約240万台を販売する北米トヨタにとっては、ほとんど影響がないものとなっています。

【画像】これが最強ランクル!? 6輪化のヤバい奴を見る!(31枚)

【アンケート】ご職業に関する調査にご協力をお願いします

画像ギャラリー

1 2

【無料セミナー】「自動車DXサミット vol.3」 三菱ふそう KTC マツダ登壇 Amazonギフトカードプレゼント

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

4件のコメント

  1. ヴェンザは「北米版」ハリアーではありませんよ。物書きを生業にするなら、もう少し下調べと裏取をしっかりなされては?
    本題のランクルの内容も伝聞と推察、勝手な想像ばかりですね。

  2. ズバリ、クライスラーのJeepが好調な事が欠落している。しかも、世界一のOffRoadマーケットである北米を、乗り心地優先のSUVが人気と、ど素人的分析で端的に評論する始末。

  3. 下の方のコメントを見て初めて知りました。
    ヴェンザがハリアーとは別の車だと。
    どう見ても同じにしか見えないのだけど、違う車なんですね!
    どのように違うのか教えていただきたいものです。

  4. 上の方のコメントでした。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー