「4連おにぎり」出現!? 全国唯一の道路標識を設置した理由とは
国道・県道などが交差する交差点では、国道の表記が上下で重なっていることは珍しくありません。しかし、福井県のとある場所で設置された標識は「日本で唯一」となる形状です。なにが珍しいのでしょうか。
福井県にある世にも珍しい「4連おにぎり」の標識はなぜ生まれた?
日本には数々の国道・県道がありますが、それぞれ特有の形状をした標識によって判別が可能です。
最近では、福井県の河川国道事務所が設置した標識が「日本で唯一」の標識としてSNS上で話題になっています。
話題になっているのは福井県敦賀(つるが)市に設置された「縦に4つの国道番号が並んだ形状の標識」で、4つの国道番号標識が重なっているのは日本で唯一の形状です。
逆三角形の標識が4つ並んでいる様子から、「4連おにぎり」という愛称でSNS上で話題となっています。
話題となった写真をTwitterで投稿したのは国土交通省の福井河川国道事務所の公式アカウントで、2020年6月17日に投稿された、以下のツイートが話題となっています。
「日本で唯一の『4連おにぎり』標識で国道が4つ重複する箇所に設置。27号がメインのため、8号より上にあり、『下克上』と呼ばれるそうです。福井県内にありますので、良かったら探してみてください」
2020年12月24日現在では727件のいいね、423件のリツイートを獲得しており、現在も拡散が続いています。
同事務所によると、この標識を2019年秋に敦賀市岡山町1丁目交差点付近に設置されました。
標識が設置された経緯としては、敦賀市街地を通る国道8号の混雑を緩和するために敦賀バイパスが設置され、1989年には分岐点である「坂ノ下ランプ」ができます。
坂ノ下ランプが小浜市方面に延びる国道27号線と滋賀県大津市へ延びる国道161号線の起点になり、さらには京都市からつながる国道162号線の終点になりました。
このような経緯もあり、坂ノ下ランプから岡山町1丁目交差点までをつなぐ約1kmが「重用区間」として4本の国道が重複することになったのです。
近隣の通行者には国道27号のイメージが強いことから、起点であることを踏まえて8号の上部に27号の標識が設置されていることも特徴です。
通常は小さい番号が上にくることが多いため、27号が8号の上にくる表記の仕方が「下剋上」とも呼ばれています。
そもそもひとつ数が少ない「3連おにぎり」からして、全国に10か所しかないといわれる珍しいケースです。なぜ、このような「日本で唯一」の形の標識になったのでしょうか。
国土交通省福井河川国道事務所の担当者は以下のように話します。
「この場所はたまたま交通が集中して、8号、27号、161号、162号が集まっており、8号と、161号は通過する道路、27号が起点部、162号が終点部となっています。
161号、162号は重複路線となっており、道路自体は実際は2路線しかありません。
重複路線の場合、基本標識は若い数字の番号しか載せないのですが、重複路線の意味合いも皆さんに知ってほしいという思いから4つの標識となりました。4つ標識が付いているのはとても珍しく、多くの反響がありました」
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