HV比率1位はトヨタじゃない? 「プリウス」誕生から23年 国内でのHV車普及の歴史とは

近年、環境対策などを目的として、クルマの電動化の重要性が叫ばれるようになってきましたが、いま日本でもっとも普及している電動車は「ハイブリッドカー」です。これまでどのような歴史を重ねて普及してきたのでしょうか。

極めて先進的な5ナンバーセダンだった初代「プリウス」

 近年、環境対策などを目的として、クルマの電動化の重要性が叫ばれるようになってきました。ひと言で電動車といってもさまざまな種類がありますが、いま日本でもっとも普及している電動車は「ハイブリッドカー」です。量産車としては20年強の歴史があります。

4代目トヨタ「プリウス」(写真は海外仕様)
4代目トヨタ「プリウス」(写真は海外仕様)

 ハイブリッド(hybrid)とは、もともとは「雑種、あいのこ、混成物、混種語」を意味する英語で、クルマでは複数の動力源を持つ車種をハイブリッドカーと呼びます。

 世界初の量産ハイブリッド乗用車を開発したのはトヨタで、1997年に初代「プリウス」を発売しました。

 1.5リッター直列4気筒エンジンとモーターで構成されるTHS(Toyota Hybrid System)が搭載され、10・15モード燃費は28km/Lを達成。従来のガソリン車に対して2倍の燃費を実現しました。

 初代プリウスに搭載されるハイブリッドシステムは、当時としては世界でも類を見ない先進性を誇っていたものの、ボディサイズは全長4275mm×全幅1695mm×全高1490mmに収められ、クルマとしては5ナンバー枠の実用的なセダンとして登場。

 価格も215万円(消費税抜)と、同クラスのガソリン車と比べれば高価だったものの、当時最先端の技術が搭載されていたクルマとしてはバーゲンプライスでした。

 その後、ホンダは1999年に同社初の量産ハイブリッドカー「インサイト」を発売し、日産も2000年に「ティーノハイブリッド」を発売(100台限定)することでハイブリッドカー市場に参入。

 2003年には軽自動車市販軽四輪車初のハイブリッドカーとしてスズキ「ツイン」も登場しました(ガソリン仕様の設定もあり)。

 日本自動車販売協会連合会が発表した2020年11月度の新車販売台数におけるメーカー別のハイブリッド比率は、トヨタが38%、ホンダが54%、日産が52%、スズキが国産自動車メーカー8社で首位の55%を記録。

 登場から20年を超えて、ハイブリッドカーはいまや私たちの生活にすっかり溶け込んだ存在となっています。

 それではここでクイズです。

 前述したホンダ初の量産ハイブリッドカーである初代「インサイト」についての記述で、間違っているものは次のうちどれでしょうか。

【1】デビュー時、ガソリンが燃料の量産車で世界最高の燃費となる35km/L(10・15モード)を誇った

【2】ボディはアルミ製で、ボディパネルの一部が樹脂製であった

【3】前輪駆動のハイブリッド車であった

【4】駆動用にリチウムイオンバッテリーを搭載していた

※ ※ ※

 正解は【4】の「駆動用にリチウムイオンバッテリーを搭載していた」です。

 同社のスーパーカー「NSX」の開発で培った技術が投入され、アルミボディ(ボディパネルはアルミプレス材と樹脂の組み合わせ)で登場した初代インサイトは、5速MT車で820kgという極めて軽量な車重を実現。

 1リッターエンジンとモーターで組み合わされる軽量かつシンプルなハイブリッドシステム「IMAシステム」を搭載することで、5速MT車の10・15モード燃費は35km/Lを誇りました。CVT仕様も10・15モード燃費32km/Lを実現しています。

 前輪駆動で、ニッケル水素バッテリーをリアに搭載して車内は2人乗り。後輪はリアホイールスカートで覆われるなど、個性的な2ドアクーペでした。

 その後、販売休止期間を挟んでフルモデルチェンジするたびにコンセプトが変わり、現行型(3代目)は「アコード」の弟分に位置づけられるハイブリッドセダンとしてラインナップされています。

※クイズの出典元:くるまマイスター検定

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