トヨタ一人勝ち続く 新型車で「キャラ被り」多くも販売好調な理由とは
トヨタが2020年10月に続き、11月でも販売台数TOP10に8車種ランクインしました。上位のトヨタ車は、キャラクターが被っている車種も少なくありません。なぜ、トヨタ車内でユーザーの取り合いが起こらないのでしょうか。
トヨタは国産車の「百貨店」?キャラ被りでも好調な理由
2020年に入り新型車が続々とヒットしているトヨタですが、やや購買層が被っているように見えます。
クルマ自体のキャラクターも被っている印象を受けますが、なぜユーザーの取り合いが起こらずに、それぞれのモデルで好調をキープできているのでしょうか。
2020年11月、日本自動車販売協会連合会が発表した普通車の新車販売台数ランキングで、トップ10のうち8車種がトヨタ車でした。
なお、トヨタ以外にランクインした2車種はどちらもホンダで、8位に「フィット」、9位に「フリード」となっています。
国内市場では敵なしといえるトヨタですが、ここで気になるのは同一メーカー内で購買層が被っていないのか、という点です。
実際にランキングをみると、同一ジャンルで複数車種のランクインが見られます。
例えば、1位の「ヤリス」にはコンパクトSUVの「ヤリスクロス」も含まれていますが、これは2位の「ライズ」と被ります。
また、6位のハイトワゴン「ルーミー」は、7位のコンパクトミニバン「シエンタ」と、やや購買層が被る可能性があります。
では、実際の販売現場では、これらの「キャラ被り」の影響はあるのでしょうか。
まず、東北地方のトヨタ販売店スタッフは次のように話します。
「たしかにキャラ被りというか、類似ジャンル内での需要被りはあります。
とくに、車高が高いながらコンパクトで人気のヤリスクロスとライズはボディサイズもほぼ同じですから、同メーカーながらライバル車となっています。
お客さまは、デザインや細かい装備の違いで選ばれていますが、これはマイナスではなく、むしろプラスに作用していると思います。
なぜなら、他メーカーの販売店へ足を運ぶ手間がなくなるからです。
先日来店されたお客さまで、『トヨタに来れば良いクルマがたくさんある。ここのなかだけで選べばいい』と仰ってくださった人がいました。
比較対象もすべてトヨタ車で、他社のクルマは一切候補に入れていませんでした。
人気モデルを数多く揃えているため、トヨタに来れば『何でもある』という状態です。いってしまえば、トヨタは今や『クルマの百貨店』でしょう」
では、ほかの地域ではではどうなのでしょうか。九州地方のトヨタ販売店スタッフは次のように話します。
「私は数年前に都心部から移住してきましたが、都会と比べると地方のほうが、親戚一同が同じメーカーのクルマに乗っているという例が多いように思えます。
『知っている人間が乗っていれば安心』という心理でしょう、なかにはまったく同じクルマの色違いに乗っているという人もいます」
※ ※ ※
それぞれの人気市場で売れ筋モデルを持つトヨタは、地方では一族ごと「統治」してしまうほど、圧倒的な影響力があるようです。
ちなみに、同スタッフの話に出てきた「同じクルマの色違い」とは、SUVの「ハリアー」とのことです。
確かに、ハリアーは前述の11月で前年比561.7%となる9897台で4位にランクインするほどの人気ぶりで、これは2020年6月に4代目へとフルモデルチェンジしたことが影響しています。
4代目ハリアーでは、基本性能はもちろんのことデザインや機能が大きく向上したことで、これまでトヨタ車に関心を示さなかったユーザーをも獲得しているといいます。
これらの要素もあり続々と登場する新しいトヨタ車は細分化されたニーズに隅々まで対応できるため、一見キャラ被りしている印象でも、その中身はまったく違うためにそれぞれが好調なのです。
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