400万円弱で落札!! バブル期憧れたメルセデス「500E」「190E 2.5」は富の象徴だった

「500E」と「190E 2.5」の気になる落札価格は?

 そこで次に狙ったのが、「190E」のスポーツモデル「190E2.3-16」と「2.5-16」だった。

 コスワースが開発をした2.3リッター直列4気筒16バルブエンジンを搭載した2.3-16は、DTM(ドイツツーリングカー選手権)で大活躍をしていて、2.5-16はそのDTMのレギュレーション変更に伴い、ストローク延長による排気量アップを実現したもの。

 日本では2.3-16が1986年に発売され、2.5-16は1988年に登場している。

 もちろんこの提案も、拒絶された。そりゃそうである。すでに働いているんだから、「自分で買え」というのは当たり前のことだ。

●1992 メルセデス・ベンツ「190E 2.5 コスワース」

DTMのイメージが強い「190E」のスポーツモデルなかでも、現実的に日常で使える「2.5-16」(C)SILVERSTONE AUCTIONS
DTMのイメージが強い「190E」のスポーツモデルなかでも、現実的に日常で使える「2.5-16」(C)SILVERSTONE AUCTIONS

 かように筆者にとって思い入れのある500Eと190E2.5-16が、シルバーストーンオークションに登場した。

 500Eのほうは1992年式で走行距離は12万km強。1996年に走行2万km強の段階でスペインに渡り、そこで11万5000km強まで走行。2016年からはイギリスで使われていたクルマだ。

 この個体には500Eのエンブレムが装着されてはいない。いつ外されたのかは不明だが、どこかの段階で「大人のスポーツセダン」を狙ったオーナーがいたのだろう。

 この個体にはメンテナンスノートが付属していて、それを確認するとつねにメルセデス・ベンツのサービス工場で整備がおこなわれていたことがわかる。

 内外装の状態もいいため、コレクション目的での入札も予想されたが、今回のオークションは流札となった。

 もう1台の190E2.5-16は、メーター上では2万7200マイル(約4万3500km)となっているが、メンテナンスノートを確認すると9800マイルでメーター交換していて、実総走行距離は3万7000マイル(約5万9200km)となっている。

 レンズ類も含む外装やウッドパネルなどもきれいだし、パワーウインドウなど機能パーツの不具合もなし。走りを愉しむこともでき、コレクションとしての価値もあるというこの個体は、2万8238ポンド(邦貨換算約395万円)で落札された。

 日本での新車価格は、約1000万円だったこと、そしてここまで程度のいい個体はなかなか見つからないことを考えると、お買い得といっていい落札価格といえるだろう。

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1件のコメント

  1. 私は190E 2.6 ミディアムクラスでも260Eが好きです。
    190E 2.6は車種1300kgには有り余るパワーでした。日産のRB系もこのエンジンをモデルにしたのではないでしょうか?
    今で言うCクラスに直6ですからたまりませんね。
    W126 300SE同様に右ハンドルのアクセルの重さはありました。

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