今年の1台はどのクルマに⁉︎ 有力はヤリス、レヴォーグ、フィットの三つ巴か
2020年12月7日、日本市場で新たに発売された新型車のなかから、「今年の1台」を決める日本カー・オブ・ザ・イヤーが発表されます。なかでも、WLTCモード燃費で世界トップクラスのトヨタ「ヤリス」や一定条件でハンズフリーを可能とするスバル「レヴォーグ」、多様化するユーザーのライフスタイルに合わせた仕様を展開するホンダ「フィット」の受賞が、有力視されています。
今年の1台はヤリス、レヴォーグ、フィットの三つ巴?
本日(12月7日)開票がおこなわれる日本カー・オブ・ザ・イヤー。
正式発表は18時頃になりそうだけれど、普通の選挙でお馴染みの「出口調査」をしてみた。
といっても選考委員をしている知人との情報交換です。2か月くらい前の下馬評だとトヨタが2月に出した「ヤリス」が優勢の雰囲気。
なんといっても売れている。直近の3か月は圧倒的なベストセラーといって良い。
しかも今年、トヨタは自動車メディア関係に対し、大きく貢献したように思う。
豊田章男社長の「自動車産業は日本を引っ張っている。新型コロナ禍の低迷を抜け出すべく頑張ろう!」という号令を受け、自粛解禁日の6月1日から試乗会を復活させました。
そしてトヨタは、「ハリアー」、「RAV4 PHV」、「ヤリスクロス」、「MIRAI」と絶えずニュースを出してきました。
ユーチューバーを上手にやっている人はトヨタ車で莫大な収益を得たそうな。
新型車ラッシュがなければ、自動車産業だけで無く自動車メディアだって厳しかったと思う。
さらにヤリス兄弟を見ると燃費の良いECOカーだけでなく、人気のクロスオーバー、そして厳しい燃費規制のなか、スポーツモデルまでラインアップする。
実際、私は「GRヤリス」の存在こそトヨタの環境技術の凄さだと思っています。
厳しくなる一方のCAFE(企業平均燃費)をハイブリッド車などでクリアしているから、GRヤリスのような楽しいクルマを作れるということですから。
ということでヤリス兄弟に10点満点を投じた次第。
より正確にいえばGRヤリスだけで10点を入れます。
けれど”出口調査”するとけっこう多くの人がヤリス兄弟に高い点数を入れていない。
理由を聞くと「GRヤリスに乗っていないから」という。
もちろんカーオブザイヤーの公式イベントの「10ベスト試乗会」では試乗出来たのだけれど、サーキットを普通のペースで2ラップのみ。十分な試乗になったのかといえば、厳しいと思う。
日本カーオブザイヤーを見ていると輸入車の評価が伸び悩むけれど、最大の理由として挙げられるのは「十分乗れていない」。
おそらく3分の2くらいの選考委員がGRヤリスに乗れていないと思う。
30年くらいカーオブザイヤーの選考委員をやらせて頂いているけれど、日本車で十分乗れていないクルマは基本的に受賞していない。反感を買うのだろう。
TOYOTA GAZOO Racingも人員が足りないということなのだろうけれど、だったらトヨタ本体に手伝ってもらう方法もあったんじゃなかろうか。
良いクルマなのに「十分乗れないから」という理由で得票が伸びないのは残念でならない。
加えて反感を買ってしまっているため、ヤリス兄弟を2位にする人も多くない。カーオブザイヤー、2位の点を多く取ることが重要です。
出口調査だと10点を入れる人は今回好勝負になったヤリス3兄弟と、レヴォーグ、フィットで良い勝負。けれど2位を聞くと、ヤリスに入れた人はレヴォーグ。
フィットに入れた人もレヴォーグ。レヴォーグに入れた人がフィットというイメージ。30年の経験からすると、こういったときは2位の多いレヴォーグ優勢になる傾向。
ということでもしヤリス3兄弟の得票数が伸び悩むようなら「GRヤリスに十分乗れなかった」ということになると思う。
レヴォーグやフィットはしっかり試乗出来る機会を作っていました。
ただ経済貢献という点でトヨタが圧倒的だったと思う。
結果、11月の販売台数はベスト10のうち、トヨタが8車種を占めています。
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。
接待オブザイヤー(笑)。