387馬力の最新BMWを子供が運転!? 免許が無くてもなぜ可能?「U-18運転予備校」の目的とは
U-18運転予備校を開催する本当の目的とは?
当日のプログラムでは、まずは座学がおこなわれました。
AJAJ会長の菰田潔氏が、シートポジションやシートベルトの正しい合わせ方、またエンジンスタート、ブレーキ、アクセル、ハンドルなど操作の基本について、約40分間の講習をおこないます。
その後、すぐに実車試乗です。最初におこなうのは、停車状態で2000rpmを維持すること。次に、ハンドルの回し方を確認したら基本訓練は終わり、さあもう走り出します。
最初は「ありさんブレーキ」です。Dレンジでのクリープ状態でブレーキをコントロールしながら、ありが進むようなイメージの微低速で50mほど前進と後進をします。
いよいよ次は、メインイベントの走行時間です。
直線を走り、左カーブ、S字カーブ、さらに左カープという1周400mほどの仮設コースを2モデルそれぞれ15分間程度走ります。
こうして見ると、プログラムの都合上、一般的な教習所と比べてかなり早いペースで実際に運転することになるのですが、驚くことに、参加者は皆、あっという間に運転に慣れてしまいます。
運転に対する先入観がないことや、普段から親の運転を見ているので、基本操作は理解している場合が多いとはいえ、子供たちがここまで短時間に運転に順応することは本当に驚きです。
正直なところ、筆者が2017年に初めてU-18運転予備校のインストラクターを務めたときは、参加者以上に我々スタッフがドキドキでした。
安全性について最新の注意を払っていたとはいえ、日本では画期的な試みなのですから。
今回を含めて、すべての会場で参加した子供たちや親御さんたちは、ドキドキワクワクの体験を本当に楽しんでくれました。
走行終了後、修了証書を授与する際にいつも、なぜU-18運転予備校をおこなっているのか、その目的についてもしっかりと説明しています。
ひとつは、運転免許を持たない若者の交通安全の向上です。実際にクルマを運転することで、歩行者や自転車の行動を理解してもらうことです。
もうひとつは、クルマ好きの若者を増やしたいという思いです。それが日本の自動車産業の発展に貢献できればと考えています。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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