全長6mで710馬力! 世界初のSUV型ハイパーリムジン「パラディウム」世界初公開

イタリア・モンツァにある「AZNOM AUTOMOTIVE(アズノム・オートモーティブ)」は2020年11月5日、ハイパーラグジュアリーSUV「PALLADIUM(パラディウム)」を世界初公開した。

710馬力のエンジンで0-100km/h加速は4.5秒の超絶ハイパーカー

 イタリア・モンツァにある「AZNOM AUTOMOTIVE(アズノム・オートモーティブ)」は2020年11月5日、ハイパーラグジュアリーSUV「PALLADIUM(パラディウム)」を世界初公開した。

SUVタイプのリムジン、アズノム「パラディウム」
SUVタイプのリムジン、アズノム「パラディウム」

 パラディウムは、快適さや品質、室内空間などを持つ高級セダンの伝統的なリムジンと、走行安定性や悪路の走破性などSUVの特徴を合わせたモデルで、デザイナーは「ハイパーリムジン」と表現している。

 パラディウムのボディサイズは全長5960mm×全幅2085mm×全高1971mm、ホイールベースは3670mmと、リムジンらしい巨大さになる。車両重量は2650kgで、トランクスペースは521リッターを確保している

アズノム「パラディウム」の全長は5960mm、ホイールベースは3670mm
アズノム「パラディウム」の全長は5960mm、ホイールベースは3670mm

 搭載されるエンジンは、5.7リッターV型8気筒ツインターボで、710ps・950Nmを発揮。「eトルク」と呼ばれるマイルドハイブリッドシステムも搭載される。さらに一定の条件下では4気筒を休止する燃費セーブモードも搭載する。トランスミッションは8速ATだ。

 駆動方式は4WD。日常走行では基本的に後輪駆動だが、ドライバーはモード選択スイッチで簡単に4WDに切り替えることができる。4輪のトラクションを最大化するため、電子自動ロックディファレンシャルを搭載、ドライバーは主導でディファレンシャルをロック、およびロック解除することも可能だ。

 ブレーキはブレンボのシステムを採用、タイヤはヨコハマのアドバンスポーツを採用している。タイヤサイズは前後285/45ZR22だ。

 これにより、パラディウムの0-100km/h加速は4.5秒、最高速度は210km/h(リミッター)というパフォーマンスを誇る。

 また最新モデルらしく安全装備も充実。6つのエアバッグと最新の先進運転支援システム(ADAS)、およびアドバンスブレーキアシスト、ヒルディセントコントロール、アダプティブクルーズコントロール、ブラインドストップモニタリング、パークアシストなどのアクティブおよびパッシブセーフティシステムを備えている。さらに360度カメラも装備される。

アズノム「パラディウム」の後席。リムジンらしく超豪華な雰囲気。
アズノム「パラディウム」の後席。リムジンらしく超豪華な雰囲気。

 パラディウムの生産は限定10台。イタリアで設計および製造されるパラディウムは、顧客が細部のパーツやカラーリングの選択をおこなった後、コーチビルダーによってオーダーメードスーツのように手作業で細部のカスタマイズをおこなう。

 アズノムの創設者であるマルチェロ・メレガッリ氏は「私たちは、パネルビートや車体の手作りなど、今日ほとんど失われている職人の製造技術を他の技術ソリューションとともに選択してこの車両を製造します。このプロジェクトに携わったデザイナーやエンジニアは、イタリア車を世界中で有名にした伝統を受け継いでいます」と話す。

 メレガッリ氏は「私たちは、ヨットを造る造船所と同じようなアプローチで、10台のクルマを作成します。最終的な顧客が選択した、パーソナライズとカスタマイズのマニアックなケア…それで、私たちが非常に限られた数の車両しか製造できない方法を理解することができます。

 したがって、私たちはいま、ほんの数人の特別なクライアントとの関係を確立する過程にあります。ヨーロッパの人にも関心を持ってもらいたいと思っていますが、より現実的には、米国、中東、ロシア、中国などの市場に集中しています」とコメントした。

 なお、パラディウムの価格は発表されていない。

※ ※ ※

 パラディウムという車名は、有名なイタリアの建築家アンドレア・パッラーディオ(古代ギリシャとローマのスタイルを彼の作品のベースとして使用することで有名)の邸宅からインスピレーションを得て、荘厳で古典的な美学を指している。また、同じ名前の、希少で光沢のある金属もその車名の由来だ。

 アズノム・オートモーティブはイタリア・モンツァに拠点を置くコミュニケーションスタジオ。生産車のカスタマイズやワンオフのモデル製作などをおこなっている。またパラディウムのスタイリングとデザインは、イタリア・トリノにあるカマルスタジオがおこなったという。

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