トヨタの新提案!? 面倒くさがりな人に最適? KINTOのメリット・デメリットとは
最近、TVCMなどでよく見かけるトヨタの新車サブスクリプションサービスの「KINTO」。このサービスでお得になるのはどんな人なのでしょうか。
KINTOは個人向けのカーリース、しかしこれまでにないメリットも
近年、若者のクルマ離れに加えて新型コロナ感染症の影響もあり、自動車業界は大打撃を受けています。
そんななか、トヨタでは、新車をもっと身近に手に入れることができるように、利用期間に対して料金を支払うサブスクリプションサービス「KINTO」を2019年3月から開始しています。
これまで、新車の購入方法としては、現金一括またはオートローンなどを利用した分割払いが一般的な方法とされており、また最近では、あらかじめ残価を設定して残りを月々支払う「残価設定ローン」も登場しました。
一方、先進技術の導入や電動化技術の普及により、昔と比べて車両本体価格も高くなっていることから、若者を中心に、新車の購入自体が難しくなっているといわれています。
そこで、トヨタが提案したのがKINTOです。「必要なときにすぐに現れ、思いのままに移動できる『筋斗雲』をイメージした」とトヨタが説明するKINTOは、毎月決まった料金を支払うだけで新車に乗ることができるサブスクリプションサービスです。
KINTO自体は金融商品取引上のリースに該当します。個人向けのカーリース自体はそれほど珍しくありませんが、KINTOが画期的といわれている背景には、これまでの個人向けカーリースにはないいくつかのメリットがあるためです。
まず、KINTOも含めた個人向けカーリースの大きなメリットは、手元資金がなくても新車を手に入れられるという点です。
例えば、2020年9月に登場したばかりの新型「ヤリスクロス」を新車で購入する場合、グレードやオプションにもよりますが、200万から250万円程度の予算が必要です。
ローンを組む場合でも、一般的に相場といわれる2割から3割の頭金を用意するとなると40万円から60万円の現金が必要となるうえ、約3%から5%ほどの金利がかかります。
その点、KINTOのトヨタ向けサービスであるKINTO ONEを使用すると、3年契約で月々4万4550円(消費税込)でヤリスクロス手に入れることができます。
こうした初期費用の少なさは、新社会人のように、今後ある程度の収入は見込めてはいるものの手元の現金が少ないという人には大きなメリットでしょう。
また、月々の支払いのなかに、メンテナンス費用や自動車税、重量税など新車登録に必要な諸費用も含まれているというメリットもあります。
とにかく安くクルマを手に入れたいときは中古車を選択するという選択肢もありますが、中古車は1台ごとにコンディションが異なるため、将来的なメンテナンスにどのくらいの費用が生じるのかは不明瞭です。
その点、KINTOのような個人向けカーリースのほとんどは、オイル交換やブレーキフルードの交換といった基本的なメンテナンス費用は月々の支払いの中に含まれているため、想定外の出費は発生しにくくなります。
さらに、リース契約は厳密にいえば「借り物」であるため、車検証上の所有者はリース事業者になり、KINTOの場合は車検証の所有者は株式会社KINTO、使用者が契約者になります。また、レンタカーのように「わ」ナンバーではありません。そのため、愛車を手に入れたという感覚が強いことも特徴です。
KINTOは、これらの一般的な個人向けカーリースのメリットに加え、任意保険も月々の支払金額に含まれています。
つまり、ユーザーは購入(リース)したいクルマを選ぶ以外は、駐車場を契約するくらいの手間で済むことになります。
そのうえ、月々の費用はリース料金と駐車場費用に加えて、ガソリン代を想定しておけば、それ以外の予想外の出費はほとんどかかりません。
個人カーリースのデメリットとしてよく挙げられるのは、中途解約時の違約金です。KINTOも契約者側の事情による違約金自体は存在しますが、契約解除理由が、免許返納や契約者死亡、海外転勤などの場合は免除されるという内容となっています。
したがって、自身の責任で契約解除する場合をのぞいて、契約解除のハードルは低くなっています。
つまり、KINTO最大のメリットは、クルマを所有することで生じる予測不可能な事態を極力排除することができる点といえます。これは、将来の先行きを不安に感じることの多いといわれる昨今では、大きな魅力といえるでしょう。
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