池袋暴走事故が「サポカー」促進へ影響? 高齢運転者の事故防止対策が急がれる訳
高齢ドライバーの事故が増えており、免許制度やクルマの技術面での改革が進んでいます。そのなかで、「サポカー」が登場していますが、それはどのようなものなのでしょうか。
75歳以上のドライバーの事故が増えている
俗に“池袋暴走事故”といわれる事故に関する初公判が東京地方裁判所で2020年10月8日に開かれ、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われている、飯塚幸三被告(89歳)も出廷しました。
この事故は2019年4月19日の日中、交通量が多い東京都豊島区東池袋の周辺で飯塚被告が運転していたクルマが暴走し、母親と幼い子ども2人の死亡と9人が重軽傷を負うという痛ましいものでした。
起訴状では、飯塚被告がアクセルとブレーキを踏み間違えた状態で時速90キロ以上まで加速し、自身で運転の制御が出来なくなり事故が発生したとしています。
これに対して、飯塚被告は「原因はクルマ側の異常にある」とし、自身の運転ミスを否定。事故発生後からこれまでの、自身の考え方を変えませんでした。
近年は高齢ドライバーによる重大な交通事故が報道される機会が増え、または事故を起こさないまでも、かなり危険な運転をしている高齢ドライバーを街で見かける機会が増えた印象があります。
背景としてまず考えられるのは、運転免許所持者全体の高齢化です。
日本の免許人口は約8000万人で、このうち75歳以上と80歳以上の数がともに、2008年と2017年を比べると2倍になっています。
これは高齢者人口の増加が直接的な原因ではなく、1960年代から1970年代の高度成長期に運転免許の取得が一気に増えたことに起因しています。
警察庁がおこなった高齢ドライバーに関する調査の結果では、とくに75歳以上では自損事故が増えるなどの傾向が顕著になります。
こうしたなか、政府は2016年11月15日に「高齢運転者による交通事故防止策に関する関係閣僚会議」を開催し、免許制度やクルマの技術面について有識者会議での取りまとめをおこないました。
その後、免許制度については、道路交通法が2017年3月と2020年3月の2段階で改正され、高齢ドライバーが運転免許を更新する際に実車による走行試験が加わるなど、高齢ドライバーによる事故を防ぐための方策が加わっています。
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