ヤリスよりヤリスクロス? トヨタで内紛勃発!? ユーザーの本音とは
爆売れコンパクトSUV「ライズ」に対する販売店の声は?
コンパクトサイズのSUVが注目される流れは、ヤリスクロスの登場以前から起きていました。
日本市場でコンパクトSUVのジャンルを確立したのは、2010年に日産が発売した「ジューク」で、それ以降はホンダ「ヴェゼル(2013年)」、マツダ「CX-3(2015年)」、トヨタ「CH-R(2016年)」と続々と登場しています。
その後も、2018年にはスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」が20年ぶりのフルモデルチェンジ。
2019年には、10月にマツダ「CX-30」、11月には、ヤリスクロスよりもコンパクトなSUVのトヨタ「ライズ」がダイハツ「ロッキー」のOEM車として発売され、またたく間に人気を獲得しています。
日本自動車販売協会連合会による2020年1月から6月の登録車販売台数ランキングでライズは総合首位を獲得し、半年間の販売台数は5万8492台にもおよびました。
トヨタの販売店スタッフにライズの購入ユーザーのイメージについて聞くと、「いま、ライズを見に来る人はライズと決めてから来店する印象で、一定数の指名買いユーザーが存在すると感じます」と話します。
そして、コンパクトSUV人気はホンダにも波及しており、2020年2月14日に発売された4代目「フィット」は、コンパクトカーでありながらフィットとして初のSUV風グレード「クロスター」を設定。
4代目フィットの2020年3月16日までの受注台数(3万1000台)のうち、クロスターは約4300台の受注を獲得。コンパクトカーでありながらSUV風のスタイルも求めるという一定の需要に応えています。
ホンダの販売店スタッフに聞くと、次のように話します。
「いまは、各社の新型SUVが群雄割拠する状態といえます。近年のユーザーの声を聞くと、本格的な走破性ではなくゴツくて迫力あるスタイルをSUVに求めているといいます。SUVの迫力ある見た目が、コンパクトカーユーザーにも支持されているということでしょう」
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発売から6年以上が経ちモデル末期となったヴェゼルについては、近々フルモデルチェンジを受けると予想されています。
新型ヴェゼルがフルモデルチェンジで商品力を向上させれば、同じホンダのラインナップ内でフィットクロスターとユーザーの取り合いになる可能性も無いとはいい切れません。
かつてのSUVブームによって、ミドルクラスSUVがミニバンとは違う新たなファミリーカーというカテゴライズをされたように、コンパクトSUVは現在進行形でコンパクトカーの購入ユーザー層を奪う存在となりつつあるのかもしれません。
MTじゃないヤリスならヤリスクロスでいいや