クロカン4駆の王道を行くモデルとは!? 無骨さが魅力の4WD車3選
クロカン4駆にまさかのエアロパーツ!?
●三菱「パジェロ エボリューション」
先のRVブームで忘れてはいけないのが、三菱「パジェロ」です。1982年に発売された初代は、ジープに匹敵する高い悪路走破性を発揮しつつ、乗用車に近い使い勝手の良さから、新時代のクロスカントリー4WD車として高く評価されました。
一方で、パジェロの人気を一気に高めたのが「パリ-ダカール・ラリー」への参戦で、この世界一過酷なレースで活躍したことで、パジェロのブランドイメージを確立。
そして、1991年に登場した2代目パジェロはRVブームの火付け役ともいわれるほど、高い人気を誇りました。
ボディは2ドアのショートと4ドアロングの2種類で、ショートにはジープや初代と同様に、後席部分と屋根がキャンバストップの「Jトップ」をラインナップ。
1997年には、ショートボディをベースに、世界ラリー選手権で活躍する「ランサー エボリューション」と同様のイメージとした「パジェロ エボリューション」を発売します。
パジェロ エボリューションに搭載されたエンジンは3.5リッターV型6気筒自然吸気で、最高出力280馬力を発揮。トランスミッションは5速ATと5速MTが設定され、駆動方式はパートタイム式とフルタイム式の両方の特徴を併せ持つ「スーパーセレクト4WD」を採用。
ボディは空力特性とオフロード性能を両立するように、大型フィン付リアスポイラー、ステップ付サイドエアダムを装備し、車体の剛性アップ、アルミボンネットの採用による軽量化が図られています。
ほかにも専用デザインのバンパーと、大きく張り出した前後フェンダーは「エボリューション」の名にふさわしい迫力ある外観を演出。
三菱はこのパジェロ エボリューションをベースとしたマシンで、1998年のパリ-グラナダ-ダカール・ラリーの市販車改造クラスに参戦。総合で1位から3位を独占する成績を収めています。
その後のパジェロは1999年に3代目、2006年に4代目がデビューしましたが、2019年8月をもって国内向けの生産を終了。2021年中には、海外向けの生産を終える予定です。
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クロカン4駆の源流を遡ると、軍用車にたどり着きます。どんな環境でも壊れずに高い走破性を維持するというのが、軍用車に求められる最大の特徴で、クロカン4駆はそのコンセプトを受け継いだことでいまも世界中で活躍しているのです。
一方で、日本ではクロカン4駆が性能を100%発揮するシーンはほとんどなく、RVブームではあれだけ増えたクロカン4駆は一気に数を減らしました。
燃費が悪い、うるさい、高速走行が得意ではない、乗り心地が悪いなど、ネガティブな要素がRVブームの終焉を早めたといいますが、それでもクロカン4駆の本物のギアとしての機能美には、いまも色褪せない魅力があります。