ピカピカハイビーム「パッシングライト」はどう使う? 使いすぎはトラブルの元にも!?
地域で違う!? 関東は「お先にどうぞ」関西は「先に行きます」
法的な基準はほとんどなく、ドライバー同士の意思の疎通を図るための手段として使われることが多い「パッシングライト」は、どのようなときに使うべきなのでしょうか。また、間違った使い方とは、どのようなことなのでしょうか。

都内の自動車教習所で教官を務めていたことがあるI氏は、次のようにいいます。
「あおり運転の取り締まりや罰則が強化されたこともあり、現在では高速道路での追い越しなどでも使わないほうがいいと思います。使用するにしても、パッシングライトの適正な回数は1、2回が限度。それ以上は威圧行動と覚えておいてほしいです。
また、車間距離を異様に詰めてパッシングを複数回繰り返す行為は、明らかなあおり運転ですので、絶対にしないでいただきたいです」
パッシングライトの使い方でポピュラーなのが、一般道での「お先にどうぞ」のサインです。対向車が速度を落としながらパッシングしているときは、右折車に道を譲っているケースが多いです。
しかし、地域によってはパッシングの意味が変わってくる場合があります。
関東では道を譲るという意味でパッシングライトを使いますが、関西では「先に行かせてもらいます」という真逆の意味になるため注意が必要です。
ほかにも、後続車や対向車がパッシングしてくる場合は「テールランプが切れている」「トランクやリアゲートが半開きになっている」「ヘッドライトがハイビームのまま」など、自分のクルマに異常があることを教えてくれているケースもあります。
1車線ずつの一般道などでパッシングされた場合は、インジケーター内の警告灯などがついていないかチェックしてみてください。
また、普通に走行しているだけで、パッシングされた経験がある人もいるでしょう。あおり運転を受けている可能性もありますが、そうでなければ自分の運転が周囲から危険だと思われている場合もあるようです。
「1度ならまだしも何度かパッシングされた経験がある人は、自分の運転が周囲に迷惑をかけている可能性を考える必要があります。
免許取得から間もない初心者ドライバーは、判断の遅れによる急な車線変更や急ブレーキ、適度な車間距離の保持ができていないことを自覚できていないことがあります。自分が迷惑をかけているのに被害者と思い込む運転はもっとも危険ですし、事故を起こす確率も高いのではないでしょうか。
限られたスペース内での教習所とは違い、一般道はずっと流れが速いということを改めて意識しておく必要があります」(教習所元教官 I氏)
※ ※ ※
パッシングライトは法的な基準がないからこそ、使い方次第では対向車や先行車、後続車に対して不快にさせてしまうこともあります。
心配ならば「パッシングライト」は使わなくてもいいと思いますが、コミュニケーション手段として上手に使い、みんなが気持ちよく運転できると良いのではないでしょうか。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。












