夏場の冬タイヤはNG!? そのまま走行すると起こる問題とは

夏場にスタッドレスタイヤのまま走行するとどのようなトラブルが考えられるのでしょうか。

夏のスタッドレスタイヤ使用は燃費や安全性へのリスクがある!

 節約や交換の手間を省くため、冬用のスタッドレスタイヤを夏場にも装着し続けるのは、非常にリスクの高い危険な行為です。今回は、夏場にスタッドレスタイヤを履き続けた場合に起こる問題について紹介します。

夏場にスタッドレスタイヤを装着したままにするとどのようなトラブルが起こるのか
夏場にスタッドレスタイヤを装着したままにするとどのようなトラブルが起こるのか

 本来、スタッドレスタイヤは積雪や路面凍結が起こる冬シーズンに活躍するアイテムです。冬道でのグリップ力が非常に強いため、スノー路面やアイス路面といった滑りやすい道でも安定した走行を実現できます。

 スタッドレスタイヤはマイナス20℃の極寒でも問題なく使用できるように特殊なゴムを使用しているため、熱に対する耐性が弱いといわれます。また夏タイヤと比べてパターンに溝が多く刻まれているため、ドライ路面では摩耗が早く、夏場の装着を続けるとタイヤの寿命を早めるのです。

 スタッドレスタイヤを使用するドライバーのなかには、「タイヤを交換するのが面倒だから次のシーズンまで履き続ける」といった人がいます。

 夏場でもスタッドレスタイヤを装着しつづけると、単純にタイヤの寿命を早めるだけでは済まない場合もあるのです。

 前述のとおり、特殊なゴムを使用していますが、これによって路面との密着度が増すことにより、タイヤが転がる力に対する抵抗力が大きくなります。

 その結果、夏場のアスファルト舗装を走行する際に夏タイヤよりも多くのエネルギーを必要とするため、燃費が悪くなる傾向にあるのです。

 また、夏タイヤに比べて雪面、凍結路でのグリップ力はあるものの、通常のアスファルト舗装では夏タイヤよりもグリップ力が劣るため、結果的に制動距離が伸びる傾向にあるため、ドライ路面ではいつも以上に車間距離を空ける意識を持っていた方がいいです。

 凍結した路面にタイヤが触れることでできる薄い水の膜が滑りやすい原因なのですが、スタッドレスタイヤはこの水分を細かい切れ込みで吸い上げることでグリップ力を得ています。

※ ※ ※

 夏タイヤへの交換費用を抑えるためにスタッドレスタイヤを履き続けるケースもありますが、一般的に夏タイヤよりも高額なスタッドレスタイヤを早期に履きつぶしてしまうことで、結果的に費用も高く付いてしまうでしょう。

 また、スタッドレスタイヤの買い替え時期について、「硬さ」がひとつの基準となります。タイヤ専門店やカー用品店などでは、硬さを確かめる際、タイヤに測定器を押し込み、その沈み具合を測定する「硬度計」を使います。

 硬度が60を超えていなければ、スタッドレスタイヤの安全性を確保できている状態ですが、夏場の走行になると冬場のイエローゾーンと呼ばれる56が基準となりこれ以上高くなっているときは買い替えを検討する必要があります。

 また、目視の状態でタイヤの側面や接地面などにひび割れがある場合もスタッドレスタイヤの性能を十分に発揮できない可能性があるため、買い替え時期といえます。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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