トヨタ「ハイエース」は駐車場のお得意様? 東京周辺から都心へ大集合する訳
東京都心の時間貸駐車場を見ると、朝早くに入庫して、夕方は日が沈む前に早めに出庫するクルマが数多くあります。車種はトヨタ「ハイエース」が多いというのですが、いったい彼らは何の目的で時間貸駐車場を利用しているのでしょうか。
「ハイエース」は走るオフィス? 都心の駐車場事情とは
東京タワーが大きく視野に入る、東京都港区。平日の朝7時過ぎには、屋外の時間貸駐車場の多くが満車になってしまいます。駐車しているクルマのなかでとくに多いのは、トヨタ「ハイエース」です。
ナンバープレートを見ると、大宮や春日部(埼玉県)、習志野(千葉県)、相模(神奈川県)など東京都の周辺県からのクルマだと分かります。いったい、どのような経緯で東京都周辺県から集まるハイエースが多くなっているのでしょうか。
前述の時間貸駐車場に停まっているハイエースの多くは、ガス、水道、公務店などに関する専門機器を搭載する業務車両です。1台あたり3人から5人ほどの職人たちが乗車しています。
東京オリンピック・パラリンピックは2021年に延期となりましたが、東京都心は各所でホテルやビルの新築工事が続いており、彼らはそうした現場で活躍しているのです。
彼らの1日の動きを見てみると、東京周辺道路の朝の渋滞を避けて、朝5時台から遅くとも朝6時頃には自宅を出発。1台のハイエースが各人の家を回って同乗するか、または事務所や会社まで自分のクルマで自走してから、1台のハイエースに同乗します。
仕事は朝8時頃には始まる現場が多いことから、その1時間ほど前には駐車場に到着し、車内で朝のコーヒータイムといった感じで過ごしているようです。
仕事の内容にもよりますが、2時間から3時間おきに休憩のため、ハイエースに戻ってきます。彼らにとって、ハイエースは動くオフィスであり、憩いの場にもなっています。
終わりの時間もまちまちですが、各所で定常的に彼らの様子を観察していると、午後4時頃には駐車場を後にするハイエースが多いように感じます。帰宅ラッシュ時間を避けているのです。
こうしたハイエースでの職人たちの移動は以前からありましたが、やはり新型コロナウイルス感染拡大の影響で、その数が増えているように感じます。
電車やバスでの不特定多数の人のなかでの3密は避け、十分な感染予防をしたうえで、気心の知れた仕事仲間と移動することを望んでいるのだと思います。専門知識がある彼ら職人にとっては、現場が命。リモートワークをすることは難しいのです。
また彼らが乗るクルマは当然、ハイエース以外にも、日産「NV350キャラバン」などいろいろですが、やはりワンボックスカーでシェアナンバーワンを誇るハイエースの存在感は大きいと感じます。
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