中古車市場でも高値安定 ホンダ初代「NSX」とはどんなクルマだったのか
本田宗一郎のDNAが宿る不世出のスーパースポーツ
NSXはシカゴショーに出品した後、ニュルブルクリンクに持ち込まれ、徹底したテストをおこない、市販に移している。
F1ドライバーのアイルトン・セナと中嶋悟両選手も開発に関わった。だが、初期モデルはコーナリング中に駆動力が抜けるトリッキーな面が見られたし、タイヤの磨耗も早いなど、バランス感覚は今一歩だった。
この弱点をホンダは短期間のうちに解消し、1992年11月にはドライビングプレジャーを徹底的に追求したスポーツグレードを限定発売の形で送り出している。それがレーシングテクノロジーを結集して開発した「NSXタイプR」だ。
タイプRはNSXを極限まで軽量化したら運動性能はどのくらい高められるか、というエンジニアの探究心とドライビングプレジャーの追求から生まれた究極のスーパースポーツだった。贅肉を殺ぎ取って軽量化を図り、120kgもの軽量化に成功している。パワーウエイトレシオは驚異的な4.39kg/psだ。ハンドリングはレーシングカーのようなダイレクト感覚で、異次元の走りを披露した。
2001年には大胆なフェイスリフトをおこなっている。2002年5月には第2世代のNSXタイプRがお目見えした。軽量化に加え、オートクレープ製法を用いたエアロパーツなどで空力性能も磨いている。エンジンは3.2リッターの「C32B」型V型6気筒DOHC・VTECで、これに6速MTを組み合わせた。
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NSXの凄いところは、世代交代が早いスーパースポーツの世界で15年以上も第一線で活躍を続けたことだろう。その間に、世界中の多くのスーパーカーに影響を与えた。
2代目のNSXが登場したいま、初代モデルの凄さがよくわかる。NSXは、本田宗一郎のDNAが宿る不世出のスーパースポーツといえるだろう。
●ホンダ「NSX」(1990年登場時)
・車両価格:800万円(5速MT。4速ATは860万円)
・全長:4430mm
・全幅:1810mm
・全高:1170mm
・ホイールベース:2530mm
・車両重量:1350kg(4速AT車は1390kg)
・エンジン形式:V型6気筒DOHC
・排気量:2977cc
・駆動方式:MR
・変速機:5速MT(4速AT)
・最高出力:280ps/7300rpm(4速AT車は265ps/6800rpm)
・最大トルク:30.0kgm/5400rpm
・ブレーキ前/後:Vディスク/Vディスク
・タイヤ:前205/50ZR15、後225/50ZR16
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