ランクル&プリウスが狙われる!? 盗難後に追跡可能な「GPSトラッカー」とはどんなモノ?
毎年発表される盗難被害に遭いやすいクルマのランキングでは、トヨタ「ランドクルーザー」や「プリウス」、「アルファード」、「ハイエース」とトヨタ車を中心に狙われるほか、1980年代から1990年代の国産スポーツカーも盗難被害に遭いやすいといいます。万が一、盗難されてしまった場合に有効な「GPSトラッカー」とはどのようなアイテムなのでしょうか。
盗難対策の救世主となるか?「GPSトラッカー」
米国には、通称「25年ルール」といわれるクラシックカー登録制度が存在しますが、これにより国産スポーツカーの海外輸出が盛んになっており、なかには正規の手段ではなく盗難車として輸出されているものも存在するようです。
最近でも、日本で盗難されたスポーツカーがバラバラに解体され、その部品が米国の日本車専門店で販売されていることが判明し関係者に衝撃を与えました。
警察庁は、国産スポーツカーを専門とする窃盗団が活動していると発表。それ以外でも、ランドクルーザーやハイエースなど、海外で需要のあるクルマを専門にする窃盗団の存在も指摘されています。
自動車メーカーもこうした盗難を防ぐために、イモビライザーやカーセキュリティシステムなどを標準装備させていますが、窃盗団は「リレーアタック」や「イモビライザーカッター」などの特殊な手段でセキュリティを無効化させる手段で盗難に及びます。
また、米国の25年ルールで人気となっている古い国産スポーツカーでは、現代的なセキュリティシステムを装備していない車種も少なくありません。
盗難被害にあったユーザーのなかには、防犯対策をおこなっていた場合も少なくありません。例えば、物理的に運転することを防ぐ手段として、ハンドルロックやブレーキペダルロック、タイヤロックなどがあります。
さらに凝った対策として、駐車時にステアリング自体を取り外していたユーザーもいるようです。しかし、プロの窃盗団はこうした防犯対策をものともせず、クルマを持ち去ってしまいます。では、クルマを持ち去られてしまったら手の打ちようはないのでしょうか。
そのような状況において、近年はクルマが盗難された際にGPSを利用して位置を割り出す「GPSトラッカー」が注目されています。
GPSトラッカーは手のひらに収まる発信機と、スマートフォンのアプリなどのシステムによって構成されています。
もともとは子供やお年寄り、要介護者の見守りサービスとして普及してきましたが、発信機がコンパクトなことから現在では領域を問わず活用されています。
例えば、宅配便や食品デリバリーサービスでは、今どこに荷物があるのかを把握できるようになり、スムーズな荷物の受け取りや不在率が減少しました。また、発信機を社用車に装着することで外出する営業スタッフの管理にも使用されています。
このように、さまざまな利用形態があるGPSトラッカーですが、近年、クルマの盗難対策に特化した製品やサービスが登場しました。
例えば、トーカイセキュリティの「番犬ドンデII」は車両盗難・車上荒らし防止端末として、クルマが盗まれてしまった後でもGoogle Mapでクルマの位置を把握できます。
また、セコムではセキュリティ専用端末「ココセコム」のクルマ専用サービスを展開。これは、万が一盗まれてしまった際や、一定距離を超えてクルマが移動した時点でセコムへ通報するシステムです。
GPSトラッカーのサービスを展開する各企業では、携帯電話基地局などを使いスマートフォンの地図アプリと同じ精度でクルマの位置情報を把握できるとしています。
最良の条件下では5mから10mの精度で場所がわかるともされ、ランドクルーザーのように大きなクルマや、特徴のあるスポーツカーであれば問題なく発見できる精度といえるでしょう。
クルマの盗難対策として効果的なGPSトラッカーですが、実はそれを購入すれば機能するわけではありません。GPSトラッカーは電波を受信し、発信機で位置情報を送信するため通信用SIMカードが必要となります。
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