王者に勝負! トヨタ「クラウン/セルシオ」に挑んだ今はなき高級車5選

1980年代から1990年代にかけて、トヨタ「クラウン/セルシオ」が高級車の絶対王者に君臨していました。そんなクラウン/セルシオに真っ向から勝負した高級車を5台紹介します。

独自の個性を打ち出してクラウン/セルシオと勝負した高級車

 自動車メーカーには「フラッグシップ」と呼ばれる、イメージリーダ的な高級車があります。

 1980年代後半から1990年代前半にかけて日本中が好景気にわいていたことから、高級志向が高まり、なかでもトヨタ「クラウン」「セルシオ」は絶対的な人気を誇っていました。

 今回は、クラウン/セルシオに戦いを挑んだ高級車を5台紹介します。

●日産「インフィニティQ45」

日産「インフィニティQ45」
日産「インフィニティQ45」

 1989年にトヨタは北米で高級ブランドの「レクサス」を立ち上げましたが、日産も同じく北米で高級車ブランド「インフィニティ」を創設しました。

 そのフラッグシップとして開発されたのがインフィニティ「Q45」で、国内でもセルシオのライバルとして日産「インフィニティQ45」が誕生しました。

 セルシオがメルセデス・ベンツ「Eクラス」やBMW「7シリーズ」などに対抗すべく、徹底した静粛性にこだわったように、インフィニティQ45は「ジャパン・オリジナル」というキャッチフレーズで、従来の高級車とはまた違う独自の価値観を持っていました。

 全長5090mm×全幅1825mm×全高1435mmという堂々としたサイズに、280馬力に抑えられた4.5リッターV型8気筒エンジン(輸出仕様は300馬力)を搭載。

 大型フロントグリルを廃止した代わりに七宝焼きのエンブレムを装着したり、日本の伝統工芸の技が光る漆塗りのインパネをオプション設定するなど、細部にまで独自の高級路線を貫いていました。

 しかしインフィニティQ45は注目を集めましたが、商業的には不発に終わります。とくに不評だったのがグリルレスのフロントマスクです。

 デビューから4年後の1993年おこなわれたマイナーチェンジでは、七宝焼きエンブレムや漆インパネを廃止し、オーソドックスなフロントグリルを装着。このクルマをベースに、日産の最高級サルーン「プレジデント」も作られました。

 それでも人気車とはなれず、1996年にはもうひとつの高級車「シーマ」と統合する形で姿を消してしまいました。

●三菱「プラウディア」

 三菱も、セルシオやシーマに対抗する最高級サルーンを生産していました。それが初代「プラウディア」です。

 ここで初代としているのは、かつて日産「フーガ」のOEMとしてのプラウディアが存在していたためです。つまり、三菱製のプラウディアは、初代のみということになります。

 三菱の高級車といえば「デボネア」が有名でしたが、1999年末に後継モデルとしてプラウディアが発表されました。

 全長5050mm×全幅1870mm×全高1475mmという立派なボディに、3.5リッターV型6気筒エンジンと4.5リッターV型8気筒エンジンを搭載し、最上級サルーンとして登場。

 室内の広さを考慮して、初代プラウディアはFFとしているのが最大の特徴です。グレーの本革でまとめられたインテリアには木目パネルが使用され、当時としては最先端のサイドエアバッグも装備しています。

 また、後席の足元を250mm延長させたリムジン仕様の姉妹車「ディグニティ」もありましたが、街でほとんど見かけることはないレアな存在になっています。

 なお、ディグニティは、全幅1.9m近い全幅と延長したボディによって、後席の居住空間は余裕に満ちており、皇族の公用車として採用されました。

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