ミニデリカ!? 三菱「eKクロススペース」はオフロードもOK! 個性強めな軽ワゴンの魅力
三菱「eKスペース/eKクロススペース」が2020年3月に発売されました。軽スーパーハイトワゴンの同車は、どのようなモデルなのでしょうか。スタイルや機能、走行性能など、その魅力に迫ります。
SUVテイストの新型eKクロススペースは“三菱顔”が良く似合う
「驚くほど違和感がない。それどころか似合いすぎている」
三菱「eKクロススペース」の実車をみて、個性的なフロントデザインをそう感じました。
eKクロススペースは、2020年3月にフルモデルチェンジして2代目となった「eKスペース」の上級派生モデルで、力強いSUVテイストのスタイリングが特徴です。
フロントデザインは、三菱のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を採用。2018年に新型「デリカD:5」へ採用されると発表されたときは衝撃的だったし、正直なところ違和感もありましたが、不思議とeKクロススペースではそれを感じません。
それどころか、よく似合っていてカッコいいとすら思うのは、目が慣れた、もしくは三菱のデザインセンスに筆者(工藤貴宏)のセンスが追いついたかのどちらかでしょう。
いずれにせよ、「ミニデリカ」とでも表現したくなるそのスタイルは素直に受け入れられるし、個性的で魅力と思えるほど。筆者が買うなら、正統派だけど無難なeKスペースよりも、大胆で意欲的なeKクロススペースを選びます。
そんなeKスペースとeKクロススペースは、実用性にも優れています。
両車が属するのは軽自動車のなかでも売れ筋の全長1700mm以上かつスライドドアを備えた「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるジャンルで、自慢は室内の広さと実用性。
後席のひざ周りスペース(前席との間の空間)は軽乗用車トップの実力だし、スライドドアの開口幅もクラストップ。
eKスペースはベーシックグレード以外、eKクロススペースは全車とも助手席側のスライドドア(eKクロススペースの「G」以上は運転席側も)は電動式で、しかもキーを所持していれば足の動きをきっかけに開閉できるハンズフリー式です。
たとえば子供を抱いていたり荷物を持っているシーンなど、両手がふさがっていてもドア開閉ができるので便利です。
ちなみに、手を使わずに足の動きで開閉できるスライドドアはほかのライバルでも採用している車種がありますが、両側に設定し、開けるだけでなく閉じることもできるのはeKスペース/eKクロススペースのほかは、基本設計を共有する日産「ルークス」だけです。
走りも好印象でした。全幅は狭いうえ背が高く、それに伴って重心が高いスーパーハイトワゴンのパッケージングは走行性能においては物理特性上不利なのは否めません。
しかし車体剛性がしっかりとつくられ、サスペンションも巧みに味付けしてあるのでしょう。交差点を曲がる際のロールに「グラッ」とくるスーパーハイトワゴンの持病ともいえる腰砕けの感覚が少なく、安心して乗っていられます。
広い峠道や首都高速のようにある程度スピードを出しつつ旋回するようなコーナーでも不足なく曲がるハンドリングでありつつ、落ち着いた挙動で好感が持てました。
エンジンは自然吸気とターボがありますが、オススメは断然ターボ。パワーに余裕があるからです。
自然吸気エンジン車でも平たんな道を1人で走っているときには不満を感じません。しかし、上り坂や多人数乗車時にはパワー不足を感じることがありました。
その点ターボエンジン車なら力が増しているので、高速道路への合流なども楽にこなせるのが魅力。すべての走行状態において余裕が違うことを実感できます。
それに、エンジン回転数が低く済むので走行中のエンジン音が静かなのも見逃せないポイント。動力性能だけでなく快適性も高いのです。
そんなターボエンジン搭載車が、自然吸気エンジン搭載の上級装備グレード「G」に対して10万円弱の価格アップで買えるのですから、選ばない手はないでしょう。
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