あなたの愛車は大丈夫? タイヤの空気圧 インチアップしたら適正値はどう変化する?
インチアップしたら空気圧の適正値は?
タイヤメーカー側で推奨された空気圧とはどのようなものでしょうか。
タイヤはサイズごとに支えられる重さが規格で定められていて、その負荷能力がロードインデックスという指数でタイヤに示されています。
スタンダード規格(JATMA・ETRTOなど)と、空気圧および負荷能力を高く設定したEXTRA LOAD規格(レインフォースド規格ともいう)では、同一タイヤサイズでもロードインデックスが異なります。
規格が異なるのに同じ空気圧に設定した場合では、タイヤの負荷能力が下がって性能が十分に発揮されず、インチアップ時にEXTRA LOAD規格のタイヤを装着する場合は、もっと空気圧を上げなければならないこともあります。
たとえばトヨタ「プリウス」などに標準で装着されている195/65R15 91Hタイヤの場合であれば、JATMA規格でのロードインデックスは91となり、タイヤの空気圧が240kPa時の最大負荷能力は615kgです。
ところが、ホイールを17インチにインチアップしてタイヤをJATMA規格の215/45R17にするとロードインデックスは87で、210kPa時の最大負荷能力は545kgに下がってしまいます。そのため、290kPa時に615kgの最大負荷能力を持つEXTRA LOAD規格の215/45R17を選択する必要があり、空気圧も高くする必要があります。
タイヤメーカー各社は、各規格別のロードインデックスの早見表をホームページに掲載していますので、インチアップをされる際は確認するようにしましょう。
また、前述のタイヤショップでは、同じタイヤサイズであってもタイヤメーカーの推奨する空気圧とカーメーカーの車両指定空気圧が異なる場合は、その割合に合わせて適宜変更しているとのことでした。
前述のタイヤショップでは、スタッドレスタイヤでインチアップする人は夏タイヤに比べて極めて少ないとしていますが、純正と同じタイヤサイズの場合は推奨値 とすることが基本だとしています。
タイヤと地面との接触面積を増やすために、空気圧を低めに調整する人もいるといいますが、スタックした場合の脱出用といった非常時以外は、タイヤの性能を十分に引き出すためにも、燃費を悪化させないためにも、メーカーの推奨値を守ったほうがいいとしています。
なお、スタッドレスタイヤの場合、保管時は空気圧を下げておくことが推奨されているため、使い始めの際はよく空気圧を調整して走行することが必要です。
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インチアップをするときは一般的にタイヤ幅が広くなることが多いため、クルマのフェンダーやサスペンションに接触しないようタイヤやホイールを選ぶ必要があります。
これは一般的に注意されていることですが、タイヤサイズを変更したことによる適正空気圧の変化はあまり論じられていません。
さらに偏平率の低いタイヤでは、空気圧が下がったことが外見からわかりにくいため、適正空気圧は装着時だけでなく日常的に点検が必要です。
もし、適正値よりも低い空気圧で調整してしまい、走行を重ねるうちにさらに空気圧が下がってくれば、タイヤのバーストなどに繋がりやすく非常に危険です。インチアップしたクルマに乗っている人は、いまいちど空気圧に注意してみてはいかがでしょうか。
インチアップタイヤ空気圧計算機アプリがありますよ。