どっちも爆売れ!? トヨタ「RAV4」と「ハリアー」 異なるキャラでも人気なワケとは
トヨタの社長が示す考えとは…
カッコいいデザイン、後席/荷室の割り切り(といっても十分なスペースを持つ)などは、そのひとつの例だと思います。
「ハリアーは『高級だけど豪華じゃない』という日本人のバランスのいい所が凝縮されたモデルだと思っていますが、そのような価値観を持つハリアー(北米名:ヴェンザ)を北米市場はどう評価するのか。これは我々のチャレンジでもあります」(佐伯氏)
レクサス「RX」の日本版として登場した初代/2代目のハリアー、日本専用モデルとなった3代目ハリアーに対して、新型ハリアーは日本の価値を武器に再び世界に挑戦するというわけです。
日本では、RAV4とハリアーの2トップ(北米はハイランダーを加えた3トップ)で戦うわけですが、すべての部分において各々の役割が棲み分けされているのがわかると思います。似たような兄弟車がたくさんラインアップされていた昔のトヨタとは大違いです。
「社長の豊田は『クルマは愛が付く工業製品』といっていますが、ユーザーが10人いれば10通りの人生、価値があります。
すべての人を満足させようとすると、どこか嘘をつかなければならなくなります。それぞれの価値に見合うもの、お気に入りと感じてもらう商品が必要だと考えています。そのひとつがRAV4でありハリアーなのです」(佐伯氏)
ちなみにRAV4の2019年のグローバル販売台数は100万台に迫るセールスを記録していますが、それでも攻めの姿勢をやめないのはなぜでしょうか。
「本当に大事なことは“未来”です。となると、既存のままではダメで、常に“挑戦者”である必要があるということです。
もちろん、ときには失敗もあるかもしれませんが、それを恐れていてはダメだということです。豊田は『バッターボックスに立ったら見逃すのはダメ、常に振っていけ!!』という考えで、我々にはっぱを掛けています。つまり、トヨタの挑戦はこれからも続きます!!」(佐伯氏)
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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