もはや絶滅は避けられない状況!? 高回転型エンジン車5選
現在、世界中のメーカーは電動化とともにターボエンジン化へとシフトしています。とくに顕著なのが高性能車で、ターボは必須アイテムです。そこで、いまでは数少ない高回転まで回る自然吸気エンジンを搭載したクルマを5車種ピックアップして紹介します。
もう新車では買えなくなってしまうかも!? 高回転型エンジン車を振り返る
現在、世界中のメーカーは燃費規制の強化に向け、電動化とともにターボエンジン化へ舵をとっています。
とくにターボエンジンは排気量を小さくした「ダウンサイジングターボ」が主流で、大型セダンからコンパクトカーまで爆発的に普及しました。
一方、数が激減してしまったのが高回転まで回る自然吸気のエンジンで、もはや絶滅寸前です。
そこで、いまでは数少ない高回転型自然吸気エンジンを搭載したクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「S2000」
日本はF1を始めモータースポーツに参戦することで、その技術を市販車にフィードバックしてきました。
自動車製造が始まった黎明期から、「Sシリーズ」など高回転かつ高出力なエンジンを多数生み出してきたこともあり、一時期のホンダは「エンジン屋」というイメージが定着。
そして、ホンダが誇る数々の高性能自然吸気エンジンのなかでも集大成ともいえるのが、1999年に発売されたオープンFRスポーツ「S2000」に搭載された「F20C型」です。
S2000は「S800」以来となる29年ぶりのFR車で、シャシからエンジンまですべてが新開発され、ホンダ創立50周年を祝うメモリアルカーでもありました。
搭載された2リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンは、最高出力250馬力を8300rpmで発揮し、レブリミットは9000rpmに設定されるなど、市販車の自然吸気エンジンとしては驚異的な高回転・高出力を実現。
2005年に実施されたマイナーチェンジでエンジンは2.2リッターに排気量がアップされ、乗りやすさを考慮した結果、初期型ほどの高回転エンジンではなくなってしまいましたが、それでも十分にパワフルで、国内外のホンダファンを魅了し、2009年に生産を終えました。
●トヨタ「セリカ」
トヨタ初の量産スペシャルティカーとして1970年にデビューした「セリカ」は、代を重ねるたびに高性能化され、なかでもターボエンジンを搭載した4WDカー「GT-FOUR」がセリカの代名詞的存在になります。
そして、1999年に7代目が発売されると、6代目の丸みを帯びたスタイルから、シャープなプレスラインが特徴の精悍なボディデザインに変わるとともに、全グレードが2WDの自然吸気エンジンへと一新されました。
トップグレードの「SS-II」では最高出力190馬力を7600rpmで発揮する1.8リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載。ターボエンジンほどのパワーではありませんが、アクセルの反応がリニアで、高回転まで気持ちよく回るフィーリングは、高性能自然吸気エンジンならではのものでした。
また、軽量なFF車に生まれ変わったことからハンドリング性能も向上。とくに北米では「コーナリングマシン」として高く評価されました。
しかし、日本では3ドアクーペのニーズの衰退から販売台数は低迷し、2006年に販売を終了。36年間に渡るセリカの歴史に幕を閉じました。
●マツダ「RX-8」
2002年にマツダは、1978年から続いた「RX-7」シリーズの生産を終了。ここでロータリーエンジンの系譜が途絶えてしまいましたが、翌2003年に新しいコンセプトのスポーツカー「RX-8」を発売しました。
搭載されたエンジンは654cc×2ローターの新開発ロータリーエンジン「RENESIS(レネシス)」で、スポーティなグレードの「TYPE-S」6MT車では最高出力250馬力を8500rpmで発揮し、レブリミットは9000rpmという高回転型ユニットです。
ターボエンジンに比べてドラマチックなトルクの盛り上がりはありませんが、ロータリーエンジン独特の甲高い排気音とともに、どこまでも回転上昇を続けていきそうな自然吸気ならではのフィーリングが特徴となっていました。
また、エンジンだけでなく、車体の重量配分を50対50とし、サスペンションをフロントはダブルウイッシュボーン、リアをマルチリンクとするなど、4ドア4シーターでありながら驚異的な旋回性能を有する本格スポーツカーに仕上がっていました。
発売からRX-8は改良を続け、2011年には最終型RX-7と同様に「スピリットR」と名付けられた限定車が登場しましたが、2012年に生産を終了。ここで再びロータリーエンジンの系譜が途絶えてしまいました。
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