TRD/NISMO/無限とは違う? 後発「GRブランド」の存在意義とは

TRD、NISMO、無限、STIなど、名門ワークスチューナーが存在します。現在では、純正チューニング&カスタマイズブランドというイメージが強いですが、メーカーと共にモータースポーツを盛り上げてきた立役者です。そして、後発としてトヨタには「GRブランド」がありますが、名門ワークスチューナーとGRにはどのような違いがあるのでしょうか。

名門チューナーと新星「GR」の違いとは?

 国産自動車メーカーには、それぞれ純正チューニング&カスタマイズブランド(メーカー直系のワークスチューナー)が存在します。では、それらのワークスチューナーとトヨタが展開するGRにはどのような違いがあるのでしょうか。

各社の名門ワークスチューナーとGRブランドの違いとは?
各社の名門ワークスチューナーとGRブランドの違いとは?

 ノーマルモデルは多くのユーザーを対象とする商品の特性上、クルマの性格やセットアップなどは、どちらかというと「万能性」や「汎用性」を重視することが多いです。

 ただ、人の好みは千差万別なうえに、使用用途を限定すれば「ノーマルモデルでは物足りない」という人も出てくると思います。そこで、個々の好みに合わせて最適化することが、クルマにおけるチューニングの基本となります。

 ちなみにチューニングの本来の意味は調整です。ただ、ピアノなどの楽器のチューニングには明確な基準がありますが、クルマのチューニングには明確な基準は存在しません。

 強いていえば、ノーマルモデルに対して「何をしたいのか?」というコンセプトに合わせ、車両全体をバランスよく仕上げられるかどうかがポイントとなります。

 そのため、正しい知識なしに闇雲にチューニングをおこなうと、オーナーの満足度は別としてもクルマとしての完成度はノーマルよりも劣ることもあります。

 そんなチューニングをある意味正しい方向に導く存在が、自動車メーカー直系のワークスチューナーです。

 ワークスチューナーの多くは、元々モータースポーツのために生まれたブランドが多いのが特徴です。現在はトヨタの「TRD」、日産の「NISMO」、スバルの「STI」、ホンダの「無限」がそれに当たります。ただ、無限はホンダの資本は入っておらずビジネスパートナーという立ち位置です。

 かつてはマツダの「マツダスピード」、三菱の「ラリーアート、スズキの「スズキスポーツ」、いすゞの「オリエントスピード」、ダイハツの「DRS」などもありましたが、現在は消滅もしくは名は残るも当時と事業形態を変えているブランドもあります。

 また、純正アクセサリーから発展したホンダの「モデューロ」やメーカー直系ではない独立ブランドながらメーカーお墨付きのパートナーという意味では、トヨタの「TOM’S」、マツダの「オートエグゼ」、ダイハツの「D-SPORT」などもそれに相当。

 これらのブランドの多くは、モータースポーツでの経験やノウハウをストリートモデルにフィードバックさせたチューニングがおこなわれています。

 かつてはスポーツ性能に特化したチューニングが特徴でしたが、最近はノーマルの潜在能力を引き上げるトータルバランス重視のチューニングが主流となっています。それはなぜでしょうか。

 ノーマルモデルの性能は昔と比べると飛躍的に向上していますが、といっても生産性やコスト、さらに自動車メーカーのルール/基準といったさまざまな制約から、やりたくてもできないことがまだまだたくさんあります。

 そこでノーマル(=量産)の枠を超えた領域で手間とコストをかけることで、クルマ好きにとっての「理想のノーマル」を提供したいという考え方があるのでしょう。

 加えて、新車開発と同じ施設、同じテストコース、同じ資格を持つエンジニア/評価者によって鍛えられているうえに、品質や耐久性に関しても非常に厳しい基準が設けられています。

 その証拠にチューニングに対してもっともハードルの高いディーラーでの販売も可能にしています。つまり、「チューニング=マニア向け」ではなく、誰でも楽しめるモデルとして、ワークスチューナーはチューニングの民主化を可能にしているのです。

 このようにチューニングの「楽しさ」、「重要性」を、より多くの人に「気軽」に「安心」して味わってもらい、日本のチューニング文化をより身近にするという意味では、ワークスチューナーの存在が必要不可欠でしょう。

 そんなワークスチューナーが開発したアイテムは主に後付けのアドオンパーツとして販売されていますが、最近ではコンプリートカーとしての販売も熱心です。

 車両全体をトータルコーディネイトすることで、各ブランドが目指す世界観を表現しやすいのはメリットです。最近では日産の「NISMOロードカー」、スバルの「STIスポーツ」、ホンダの「モデューロX」などがそれに当たります。これらのモデルは高い評価を得ており、ノーマルモデルに対する販売比率も高いようです。

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