なぜシエンタは人気? アルヴェルよりも販売好調 トヨタ最小ミニバンが注目される訳
2019年でもっとも売れたミニバンがトヨタ「シエンタ」です。しかし、5年前の2014年では、同じトヨタのミニバン「ヴォクシー」や「ノア」の方が人気でした。なぜこの5年でシエンタの人気が逆転したのでしょうか。
なぜシエンタが売れる?
コンパクトな3列シートミニバンであるトヨタ「シエンタ」の販売が好調です。2019年の販売台数は11万880台で、前年比117.9%と売れ行きが伸びています。
乗用車(軽自動車を除く普通車と小型車)販売におけるランキングでは、なんと「プリウス」や「ノート」に次ぐ3番目のポジション。前年となる2018年の年間販売台数は9万4048台でランキング5位でした。果たして、躍進の理由はどこにあるのでしょうか。
「モデルチェンジ直後は違和感のあったデザインが見慣れてきた」
「2列シートの追加(2018年9月のマイナーチェンジ時に設定)でユーザー層が広がった」
などいくつかの理由が指摘されていますが、最大の理由は「ダウンサイジングの波がミニバンに押し寄せてきた」ということと考えられます。マーケットの変化です。
例えば5年前、2014年の年間販売ランキングを見ると、同じトヨタのミニバンとして「ヴォクシー(10万9174台)」や「ノア(6万9605台)」となり、シエンタ(フルモデルチェンジ前の先代モデル)はランキング圏外という状況でした。
当時のヴォクシーとノアは、フルモデルチェンジ直後という追い風となる事情もありましたが、先代シエンタよりも売れていたという事実は変わりません。
しかし2019年になるとヴォクシーやノアの販売台数はシエンタよりも少なくなりました。「アルファード」や「ヴェルファイア」など“人気車”といわれるさらに大型のミニバンも販売台数は、それぞれ6万8705台/3万6649台とシエンタを超えてはいません。
その理由として推測できるのは、コンパクトカーにシフトしているといわれる乗用車マーケットの変化が、ミニバンの勢力分布にも影響を与えているということ。ミニバンにおいても小さいクルマが選ばれているというわけです。
2000年代はじめのミニバン大流行を経たいま、ミニバンを選ぶユーザーの多くは「すでにミニバンを所有したことがある」もしくは「家族がミニバンを持っていた」という層でしょう。
そんなミニバンユーザーの何割かは自分の経験を通して「3列目があることは便利だけど、日常的に使うわけではないから狭くてもかまわない」と考えているはずです。そういったニーズが、「小さなミニバン」を支えるひとつの大きな層だといえます。
盆と正月にじじばば乗せる為の三列シートは切られたんだよ。
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