8400万円で落札! ポルシェ「カレラGT」の危険な魔力とは?

ポルシェ「959」、それに続く「カレラGT」、「918スパイダー」は、期せずしてフェラーリでいうところのスペチアーレのような存在になった。今回は、ドライビングが非常に難しいとされるカレラGTの基本的な解説と、現在のオークションプライスをお伝えしよう。

「カレラGT」は、過去のコンペティションモデルへのリスペクトであり、未来への先進性を示した

 ポルシェのタイプ980、後に「カレラGT」と呼ばれることになるミッドシップ・スーパースポーツのプロジェクトは、1990年代の中盤はすでに開始されていた。

アメリア・アイランド・オークションに出品されたモデルは、走行距離がわずかに766マイル(約1226km)という極上コンディションのポルシェ・カレラGTであった(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
アメリア・アイランド・オークションに出品されたモデルは、走行距離がわずかに766マイル(約1226km)という極上コンディションのポルシェ・カレラGTであった(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 1999年のパリ・サロンで、そのスタディ・モデルが公開されてから約4年後、ポルシェは世界を驚愕させる凄まじいスペックと掲げて、正式に生産型のカレラGTを2003年のジュネーブ・ショーで世界初公開した。

 ちなみに、この年のジュネーブは、さまざまなライバルが競うかのようにデビューを果たした豪華絢爛なショーだったが、それでもカレラGTの華やかさは特筆に値するものだった。

 カレラGTのスタイリングは、基本的にはスタディ・モデルから大きな変更を受けることなく、そのまま生産型に移行されたという印象が強い。フロントウインドウの傾斜角や灯火類のデザインなど、若干の手直しを受けている部分があるのも事実だが、それらはきわめて小さな変更と考えることができそうだ。

 スタディ・モデル時に噂されていたクーペとタルガトップという2タイプのボディが設定されるという噂は誤りで、結局カレラGTには着脱式ルーフの1タイプのみとなった。

 そのデザインは、ポルシェの手によるスーパースポーツの先進性を主張すると同時に、過去のコンペティション・モデルから多くのモチーフを得たと考えられるディテールにも満ち溢れている。

 例えばフロントマスクをさらに精悍な印象とする丸型の4灯式ヘッドランプは、あの「917」から受け継がれたディテールであるし、またボリュームに富むフロントフェンダーの造形は、「718RSKパイダー」のそれを反映させたとポルシェは説明する。

 もちろんエアロダイナミクスも当時としては世界最高峰のレベルにあった。リアエンドには車速が120km/hに達した時点で160mmライズアップする可変式のウイングが備えられ、さらにダウンフォースのほとんどはボディ下面のヴェンチュリートンネルで得る仕組みであった。

【画像】危険な香りのするカレラGTをたっぷりと味わう(23枚)

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1件のコメント

  1. 車自体は好きなんだけどフットワークだまくらかして作ったエンジンポール・ウォーカーを死なせた車なんでいいイメージはないな。

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