オークションでは5000万円が上限か!? ランチア「ストラトス」の栄光の歴史とは?
極めて貴重なロードモデル仕様のランチア・ストラトス
ランチア・ストラトスは、オークション・マーケットでも常に熱い視線を受ける存在だ。その理由は、総生産台数がわずかに492台であること。そして多くの個体がラリー用にコンバートされたことで、オリジナルのストラダーレの数がさらに少なくなっていることなどが挙げられる
1970年代当時に活躍したワークス・マシンは、オークション・マーケットに姿を表せば大きな話題を呼ぶはずだが、美しく当時の仕様で製作されたコンバート・モデルの人気も高い。
2020年1月に日本で開催されたBHオークションでは、グループ4のコンペティツィオーネ仕様にコンバートされたモデルが、7100万円で落札されている。ストラトス人気、いやその源流たる「サーキットの狼」人気は、いまだ健在なのだ。
その一方で、先日アメリカのフロリダ州アメリア・アイランドで開催されたRMサザビーズのオークションに出品された、1975年モデルのストラトスHFストラダーレ(ロードモデル)は、50万から60万ドル(約5350万円から6420万円)のエスティメート(予想落札価格)が提示されていたが、売買は成立しなかった。
もちろんRMサザビーズの目は確かで、出品車は492台のストラトスの中で最後期に生産されたもの(S/N:01976)。ランチアやオートクラブ・イタリアの資料でもオーナーシップはきちんと証明されており、シャシ、エンジン、ボディのナンバリングはもちろん正確にマッチしている。
長くイタリアにあった後、2015年にカナダへと渡り、ここでオーナーが6万ドル(約642万円)をかけてレストア。さらに2017年にはアメリカのフロリダ州にあるスペシャリスト、カルブ・スポーツ・レーシングが、再度メカニカルなパートを中心にメンテナンスをおこない、新車のコンディションを取り戻しているため、状態はベストに近いはずの車両だ。
やはり1970年代のスーパースポーツのプライスは、一時と比較して、やや落ち着きを見せてきたということなのだろう。
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