なぜ大阪は黒いタクシーが主流? カラフルだった東京のタクシーが濃紺に代わった訳
藍色のジャパンタクシーが東京で急増したワケとは?
かつては派手なカラーのタクシーが多く走っていた東京では、最近では落ち着いた色のタクシーが増えており、約7割が黒系の車両になってきているとのデータもあります。
とくに多いのはトヨタの「ジャパンタクシー」で、濃紺のタクシーを見かけるのも日常的な風景になってきています。
ジャパンタクシーは、トヨタが開発した次世代タクシーで、2017年に発売されました。ボディカラーは、白、黒、藍色(濃紺)の3色が用意されているのですが、都内で走る車両のほとんどが藍色です。なぜ藍色のジャパンタクシーが多く走っているのでしょうか。
ジャパンタクシーが増えている理由は、東京オリンピック・パラリンピックにおける訪日外国人の増加に伴って、国土交通省が提唱する「ユニバーサルデザインタクシー」の認定を受けることができるということが大きいでしょう。
「ユニバーサルデザインタクシー」とは、「健常者はもちろん、足腰の弱い高齢者や車いす利用者、ベビーカー利用の親子連れ、妊娠中の方など誰もが利用しやすい『みんなにやさしい新しい』タクシー車両」のことを指します(国土交通省ウェブサイトより)。
この認定を受けた車両の導入を推進するため、1台につき60万円の補助金が受けられることになっています。
東京都もオリンピックを盛り上げるべく、都独自の補助金を設定(一時は40万円)。補助金によって通常より安価で新型タクシーを導入できるタイミングになっており、都内をはじめ続々と導入されているのです。
これまでのセダンタイプも乗り心地は悪かったわけではありませんが、後部座席に体をかがめて乗り込む必要があり、また、車いす利用者が乗車しづらいという難点がありました。
それに対し、ハイトワゴンスタイルでスライドドアを採用し、乗降性も車内空間も大幅に向上したジャパンタクシーは、多くの人が利用しやすいタクシーだといえます。
また、藍色のボディに「東京オリンピック2020」のロゴが入った車両を、東京都が街の景観向上のために推奨したことと、藍色で高級感も感じさせることがうまくマッチしたことも、ジャパンタクシーの普及が進んでいる理由でしょう。
さらに、東京を中心に増えているのが、「ワゴンタクシー」と呼ばれる高級ミニバンのタクシーです。
1名乗車では割高になりますが、多人数乗車すれば1人あたりの価格はそれほど高くなく、かつ車内も広く荷物も積みやすいという利点があります。
このワゴンタクシーで使用される車両も高級グレードで黒ボディが圧倒的に多く、東京のタクシーの黒タク化に一役買っているといえます。
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ジャパンタクシーは、法人だけでなく個人でも購入可能です。トヨタ「シエンタ」がベースですが、燃料はガソリンではなくLPガスを使用したハイブリッド仕様となります。
LPガスがあるスタンドは全国でわずか1500か所程度。もし購入する場合は、近隣でLPガスを個人に販売してくれるところがあるかどうか確認が必要です。
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