トヨタ販売網の期待と不安 新型「ハリアー」登場で波乱!? 販売合戦なるか
7年ぶりのフルモデルチェンジとなったトヨタの新型「ハリアー」。2020年6月の販売前から大きな話題となっています。しかし、新型ハリアーの登場によってトヨタの販売網に大きな影響が出る可能性があるといいます。販売チャネル制の廃止と新型ハリアーには、どのような関係があるのでしょうか。
国内販売チャネルの撤廃が、吉と出るか、凶と出るか?
2020年4月13日に、全貌を現したトヨタの新型「ハリアー」。発売前から巷の大きな反響を呼んでいますが、新型ハリアーにはいくつかの「変化」が見られます。果たして、トヨタ車や国内市場にどんな影響をもたらすのでしょうか。
トヨタは、新型ハリアーを全国トヨタ系販売店にて6月頃から発売すると発表しました。新型ハリアーは従来のイメージを踏襲しつつも、各部を大幅にリニューアル。
サイズアップに加えて、TNGAプラットフォームの採用による安全性と運動性能の向上、装備の充実化が図られています。
注目なのは、前後方向の画像を録画できるデジタルミラーをトヨタ車で初めて採用していることで、これにより、わざわざドライブレコーダーを後付けする必要がなくなったのはユーザーにとって嬉しいポイントです。
さらに、調光機能が付いた電動シェード付きパノラマルーフもトヨタ初となります。ガラスの濃淡が自動で調節されることで、シチュエーションの変化に合わせて快適性と開放感を両立します。
パワートレインは、2.5リッターエンジン&モーターのハイブリッド車と2リッター自然吸気のガソリン車という2種類を設定しています。
残念ながら、従来型ハリアーにあったターボエンジンは廃止となりましたが、自然吸気エンジンも大幅なパワーアップを実現しているようで、スムーズなフィーリングが期待できそうです。
新型ハリアーのいくつかの変化で最初にあげるのは、歴代ハリアーのフロントグリルに採用されていた車名の由来でもある「チュウヒ(鷹の一種)」をあしらったエンブレムが、ほかのトヨタ車と同じトヨタマークに変わっています。
従来のハリアーは、トヨペット店など一部のチャネルで販売されていた国内専用モデルでした。しかし、トヨタは、2020年5月から全店舗(全チャネル)で国内の全トヨタ車を扱うことに方針を変えました。
その全店舗で全車が取り扱いされた後の初の新型モデルが、今回の4代目ハリアーとなり、その結果として専用エンブレムからトヨタマークに統一されたのです。
従来のトヨペット店専売モデルからすべての販売店で購入できるようになるため、近所の販売店で購入できるという利便性が高まったわけですが、トヨタ自身や販売店にとっては諸刃の剣だという関係者もいます。
群馬県内のトヨタ系販売店のスタッフは、全店舗で全モデルを取り扱うことについて、次のようにいいます。
「トヨタ車のすべてが、どの販売店でも買えるようになったことは、営業スタッフにとっては歓迎すべきことです。お客さまが欲しいというモデルをそのまま売れるわけですので。
これまでは、ハリアーが欲しいと来られても、『ウチにはないのでこちらのSUVでいかがでしょうか?』というセールスをしていました。
ただし、危惧していることもあります。これまでは各販社でトヨタのラインナップの販売を分担することで、ある程度平均的な販売実績が見込めました。ところが、全販売店で同じ車種が買えるようになれば、売れ行きが低迷する車種も出るし、社内競合も多くなってくる可能性が出てくるかもしれません」
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