なぜUSBに統一しない? 車の電源供給が二分化 アクセサリーソケットが残る理由
クルマの定番装備といえば、かつてはシガーソケットと灰皿でした。しかし、禁煙化が進むにつれて、灰皿は姿を消し、シガーソケットも電源供給用のアクセサリーソケットへと変わっていきます。一方で、電源供給方法としてUSBも定番装備となっていますが、なぜ統一されないのでしょうか。
USBとアクセサリーソケットでは扱える電力に大差
ひと昔前まで、クルマの定番装備となっていた「シガーソケット」は、今では見かける機会が激減しました。その後、見た目はシガーソケットでも電源のための「アクセサリーソケット」へと移り変わっていきます。
しかし、現在ではスマホやタブレットの充電のためのUSBが広く普及し、電源としてのアクセサリーソケットの存在意義が問われています。なぜ、アクセサリーソケットは無くならないのでしょうか。
かつてのシガーソケットには、タバコに火を付けるための電熱線を備えた蓋部分(シガーライター)が装備されると同時に、タバコの始末用に車内に灰皿も付いていました。
シガーソケットのソケット部は現在と同じく、電源を取ることが出来ます。その後、禁煙化の流れによって、これらの装備類はほぼ消滅。
今では、ソケット部に蓋がされているクルマがほとんどで、電源供給のための「アクセサリーソケット」や「電源ソケット」といった名称で呼ばれるようになります。
車内の電源として残るアクセサリーソケットですが、近年はその代わりとなるUSB端子を備えるクルマが増えてきました。
これはスマホやタブレットなどが普及することで、それらの充電ニーズに対応するべく定番化した装備となっています。
一部のユーザーからは、「アクセサリーソケットを廃止してUSBだけにしても良いのでは」という意見も少なくないといいます。しかしながら、自動車メーカーはアクセサリーソケットを採用し続けています。なせでしょうか。
自動車メーカーの担当者は次のように説明しています。
「元々、USBはパソコンから機器へのデータ通信と電力の供給が可能な接続機材です。そのため、パソコンの周辺機材(マウスやキーボードなど)に必要な電力は補えるものの、消費電力の大きい機材では電力不足となります。
初期の頃に搭載されているUSB給電は、電流が0.1A/0.5Aのみでした。現在では、1.5Aまで対応する車種もあります。また、電圧は基本5Vです。
一方、アクセサリーソケットはクルマの基本電圧である12V(トラックなどは24V)となり、電流は10Aというのが一般的です。
そのため、スマホを充電する程度ならUSBでも十分ですが、近年注目される非常時や災害時に重要視されえう外部給電では、USBではなくアクセサリーソケットが必要となります。
また、最近では家に備え付けられているようなコンセントの差し込み口が採用されている場合もあります。このあたりのクルマでは、「AC100V/1500W」に対応し、炊飯器やコーヒーメーカーなどが同時に使えたりします」
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このように、従来から搭載されるアクセサリーソケットは、カー用品(整備用品)などの給電用として採用されつづけ、USBは近年のスマホ普及による充電ニーズに対応するために付いているため、似て非なる存在だといえます。
アウトランダーの電力供給は10分ではなくチャージモードで10日間ですよ。
大事なところ誤植しないで下さい。
コンセントをコンセプトという誤植もあり。
このたびはご指摘いただき、誠にありがとうございます。
一部修正いたしました。