なぜトヨタ車がマツダ製? 世界戦略車なのに… 北米ヤリスが日本と違う理由

現時点でGRヤリス導入予定はないものの…アメリカ人は欲してる!?

 もうひとつは、北米のユーザーニーズです。日本や欧州ではヤリスの属するBセグメントのコンパクトハッチバックは主力カテゴリとなっていますが、現在も大きなボディサイズのモデルが主力の北米では、コンパクトハッチバックは日本の軽自動車以下のサイズのアシ車というイメージです。

北米ヤリスの内装はほぼマツダ2
北米ヤリスの内装はほぼマツダ2

 つまり、求められるのは“安さ”であり、日本/欧州向けと北米向けを一緒くたに企画すると、新型ヤリスが目指すコンセプトにブレが生じてしまうと考えたのでしょう。つまり、積極的な「選択と集中」をおこなったということです。

 日本向けヤリスの発表会でトヨタは、先進国と新興国のニーズの違いに応えるために、先進国向けのコンパクトカーはトヨタ自身が開発、新興国向けのコンパクトカーはダイハツと協力して開発をおこなう方針を明らかにしています。恐らく、今後登場の予定のアジア向け次期ヤリスはダイハツとの共同開発になるかもしれません。

 ただ、先進国ではあるものの小さいクルマが主力ではない北米はどちらにも属さないという微妙な立場から、北米向けヤリスはマツダからのOEM供給という手段を選んだ「地域限定商品」なのです。

 その一方でトヨタの北米部門は、2020年の頭にSNSで「GRヤリス」の画像と共に「北米市場には別のホットハッチが必要でしょうか? ご意見を聞かせてください!」と呼びかけています。

 現時点で、GRヤリスは北米導入の予定はありません。北米のラブコールを受けて、GRヤリスが導入されることになるのか、気になる所です。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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