トヨタ新型「ハリアー」はレクサスRXも超える!? 同格サイズ「RAV4」との差別化どうなる?

新型ハリアーは、RAV4とどのような違いがある?

 外観デザインは、3代目を踏襲しながらも、よりスタイリッシュ、よりエモーショナルなデザインに仕上がっています。

 精悍なフロントマスク、シンプルながらダイナミックなサイドビューはもちろんですが、とくに絞り込まれたクーペキャビンと張り出したホイールハウス、そして横一文字に光るテールランプが組み合わされたリアビューは、アストンマーティンの新型SUV「DBX」を彷彿とさせるほどです。

 実は先代モデルの基本的なエクステリアデザインは4代目RAV4とほぼ同じで、ハリアー独自だったのは前後くらいでしたが、今回はすべてオリジナルとなっています。

 ボディサイズ(先代比)は、全長4740mm(+15)×全幅1855mm(+20)×全高1660mm(-30)と全高以外は先代より若干拡大されています。

 内装は、インパネ周りの操作系レイアウトこそRAV4に似ていますが、デザインはハリアー専用です。センターコンソールは、スイッチ類が少なめで大画面のタッチディスプレイ(12.3インチ)が特徴となっています。

元祖ラグジュアリーSUVが7年ぶりのフルモデルチェンジ
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 触り心地にもこだわったレザー調加飾や曲木(まけぎ)に着想したウッド調加飾、パイピング加飾をバランス良く盛り込むことで、質の高い空間に仕上がっているほか、幅広くセンターコンソールは馬の鞍をイメージしているそうです。

 加えて、吸遮音材・制振材の効果的な配置や高遮音ガラスの採用により、9スピーカーのJBLプレミアムサウンドシステムがより活きる静粛性も魅力のひとつです。

 さらに、パノラマルーフはトヨタ車初採用の調光ガラスを用いた電動シェード付。調光時には障子越しのような柔らかい光が差し込む仕様だといいます。

 ホイールベースは2660mmと先代+30mmと拡大されていますが、拡大分は後席の足元スペースに活用と居住性も高められています。

 パワートレインは、ガソリン車が2リッター直噴自然吸気エンジン+ダイレクトCVT、ハイブリッド車は2.5リッター直噴自然吸気エンジン+モーター(THS-II)の2タイプとなりRAV4と同じです。

 どちらもFF/AWD(ガソリンはダイナミックトルクコントロール4WD、ハイブリッドはE-FOUR)が選択可能となっています。

 ちなみにRAV4で話題となった後輪トルクを左右独立で制御可能なダイナミックトルクベクトタリング4WDは採用されていません。恐らくクルマのキャラクター(=優雅に走る)を考慮した判断でしょう。

 プラットフォームはTNGA「GA-K」を採用。高剛性化と低重心化にこだわった設計で、すでにRAV4や「カムリ」で高い評価を得ていますが、もちろんハリアー専用に最適化。

 極微低速域でもスムーズなストロークの動きを確保したショックアブソーバーやアクティブコーナリングアシストの採用に加えて、徹底的な走り込みとチューニングなどによって、重厚感としなやかさを併せ持った乗り味に仕上がっているようです。タイヤはグレードのより何種類か用意されていますが、上級モデルには225/55R19サイズが奢られています。

 先代に乗った際、筆者(山本シンヤ)は見た目の豪華さに対して乗り味の安っぽさにガッカリした記憶がありましたが、新型はその辺りがどう改善されているか楽しみです。

 ハード面などを踏まえると、「レクサスRXを超える乗り味を実現できているのでは!?」と予想しています。

 先進の安全支援デバイスも充実しており、歩行者(昼夜)や自転車運転(昼)を検知対象に加えたプリクラッシュセーフティ採用の最新のトヨタセーフティセンスやインテリジェントサポートに加えて、トヨタ車初採用となる走行中の前後方向映像を録画可能な「デジタルインナーミラー」も設定されています。

 このようにスペックの数値を見るだけでも「大ヒット間違いなし」といえる要素ばかりの新型ハリアーですが、気になる価格は現時点では未公表です。

 ただし、「少し背伸びをすれば買える価格の高級車」という先代のコンセプトを踏まえると、若干のアップに留まるのではないか、と予想しています。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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