800万円超&全長5mなのになぜ若いファミリーに人気? ボルボのフラッグシップSUV「XC90」の個性とは
XC90にはじめて設定された特別仕様車「R-Dezign」に乗る
ボルボ・カー・ジャパンの広報担当者にXC90の購買層を聞いたら、ボルボのラインナップのなかでもとくに若い人が多いという。これは驚きだった。
ボルボで一番大きなクラスだし、ラグジュアリーなつくりだから価格も安くはない。少なくとも車両本体価格が800万円以上になるわけだから、それなりの出費になる。
これはボルボが展開する「スマボ」というサブスクリプションも、後押ししているのかもしれない。いずれにしてもXC90には若い人たちが憧れを持つ要素があるのだろう。
確かに、子供がいる若い夫婦が乗るのには最適だろうと思うところはたくさんある。
今回の試乗車であるXC90 D5 AWD R-Design(Rデザイン)は、3列シートが標準で7人乗りになるから、いざとなれば祖父母だって一緒に乗ることもできる。
2列目にはチャイルドシートが最初から組み込まれていて(インテグレーテッドチャイルドシート)、子供もスマートに乗ることができる。親子だけで移動するときには、3列目を収納した広いラゲッジスペースに、たくさんの荷物を楽に積むことだってできる。
試乗したD5は2リッターディーゼルエンジンで、最大トルクが480Nmも出るから長距離ドライブも余裕を持って楽に走れる。
さらにディーゼルだから燃費がよくて、高速道路なら満タンで1000km以上走れるし、燃料は軽油だから日本ではレギュラーガソリンよりも安いというメリットもある。
それでいてRデザインだから、かなりスポーティな走りが可能だ。スポーティといってもハンドル応答性のゲインが高いわけではない。舵角に比例した反応で、切った分だけ応答し、コーナーでさらに切り込めばそれもちゃんと追従してくれるから安心だ。
アクセルの反応も同様で、480Nm出るからといってもアクセルペダルに比例した動きで、ビギナードライバーだとしても扱いやすい。大きなボディでも余裕のトルクで重さを感じずに走ることができる。
この乗り心地の良さはしっかりしたプラットフォームがベースにあるが、オプションのエアサスペンションとFour-C(アクティブダンパー)との組み合わせによって、さらにハンドリング性能と快適性を上げている。
車高も変えることができ、通常のコンフォートからEco(-10mm。100km/h以上は-20mm)、Dynamic(-20mm)、Off road(+40mm)、エントリーアシスト(-40mm)、荷積みモード(-50mm)と細かく調整してくれる。
ディーゼルエンジンとR-Designという組み合わせがどこまで成立するのかと興味があったが、低速トルクの図太さと軽快なハンドリングによって気持ちよく走れることがわかった。ディーゼルの燃料噴射の圧力が高いせいか、アイドリング時の音はちょっと大きめだ。ただしアイドリングストップもついているので、エンジンが暖まれば気になることもない。
2020年モデルで追加装備になったものがいくつかあるが、タイヤ空気圧モニタリングシステムは日常の安全にも直結する装備でとてもありがたい。
久しぶりにXC90に乗ったが、マイナーチェンジを受けたXC90はよりしっとりした乗り味になって、ますます魅力的になっていた。
VOLVO XC90 AWD R-DESIGN
・車両価格:959万円
・試乗車オプション込み価格:1072万円
・全長:4950mm
・全幅:1960mm
・全高:1760mm(エアサスペンション装着)
・ホイールベース:2985mm
・車両重量:2110kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:1968cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・最高出力:235ps/4000rpm
・最大トルク:480Nm/1750−2250rpm
・サスペンション前/後:ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
・ブレーキ前/後:Vディスク/Vディスク
・タイヤ前後:275/35R22
・WLTC燃費:13.6km/L
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