長い下り坂でブレーキ踏みすぎNG!? 使いすぎで起こるふたつの危険な現象とは
エンジンブレーキの活用が最善の対処法
長い下り坂を下るとき、教習所では「エンジンブレーキを上手に活用しましょう」と教わったかと思います。
エンジンブレーキというのは、トランスミッションのギアによるエンジンの抑制を活用したものです。クルマのトランスミッションは、ギアが低いときは「力強く前進するけれど速度が上がらない」状態、ギアを上げるにつれて「力強さは弱まるけれど速度が上がる」ように設定されています。
ギアを任意で低くすれば、そのギアで出せる速度までエンジンが速度を抑制してくれます。下り坂でギアを落とす(低いギアに変速する)ことで速度が上がりすぎるのをエンジンとミッションで抑制し、フットブレーキの使用を減らすというのがもっともブレーキに負担がかからず、必要なときに制動力を確保できる方法といわれています。
MT車ほどではありませんが、AT車でも1から3レンジ落とせば、エンジンの回転数が上がり、エンジンが速度を抑制している状態を体感できます。
AT車でエンジンブレーキを効かせるときに使いたいのが、最近のAT車・CVT車に装備されている「MTモード」です。ハンドルの根元にあるパドルシフト、またはシフトレバーのMTモードを利用してギアを任意で数段落とせば、エンジンブレーキを効かせることができます。
また、万が一、フェード現象やベーパーロック現象が起きてしまった場合はどうすればいいでしょうか。
これは、緊急回避にもなりますが、強引にギアを落として、エンジンブレーキを最大限活用することで速度を落とすしかありません。このときに、間違ってもハンドブレーキ(パーキングブレーキ)を使用してはいけません。クルマがコントロールを失って、スピンしてしまうこともあり、大変危険です。
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最近のクルマは、フェード現象やベーパーロック現象は起きにくくなっていますが、それでも起きる確率はゼロではありません。
前出の高島氏は、「車検ごとにブレーキフルードのチェックや交換をしてください。また、フェード現象、ベーパーロック現象が発生したあとは、すぐにプロに頼んで交換してください」とアドバイスします。
ブレーキが効かなくなると、パニックになってしまいます。ギアを落として速度も落とすことを覚えておけば、最悪の事態を回避できるはずです。
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