エンジン内の液体があまーい! 人体に猛毒の「クーラント」の正体とは
クーラントは「赤色」?「緑色」?
クーラントは、ロングライフクーラント(LLC)とも呼ばれ、エンジンルームから残量を確認することができます。
多くのクルマでは、ボンネットを開けてエンジンルームを見ると、「リザーバータンク」という半透明の樹脂製タンクがあり、そこでクーラントの量や色がチェックできます。
リザーバータンクには「MIN」と「MAX」の目盛りがあるので、少なすぎる場合は、リザーバタンクから、クーラントを追加しましょう。少ないままにしておくと、オーバーヒートを起こす可能性があります。
ただし、外観がウォッシャー液のタンクと似ているため、見間違えることがないよう注意が必要です。
では、どのようにしてウィンドウォッシャータンクと、リザーバータンクを見分ければいいのでしょうか。
ほとんどのクルマでは、クーラントは「赤色」か「緑色」をしています。ウォッシャー液は透明や水色のものが多いため、ウォッシャー液よりも濃い色をしているタンクであれば、それがリザーバータンクであり、中身がクーラントだと考えていいでしょう。この色の違いについて、ある中古車販売店のスタッフは以下のように話しています。
「お客さまのなかには、車検でクーラント交換を勧めた際に『自分のクルマは、赤と緑のどちらのクーラントにすれば良いのか』と聞かれることがあります。
結論をいうと、どちらでも問題ありません。色によって成分が変わっているのではなく、自動車メーカーによって色が違うだけなので、赤のクーラントを緑にしても故障につながることはありません」
また、色が別れている理由については、以下のようにも話しています。
「クーラントに色が付いていることによって、『どこから漏れているのか』がひと目でわかるようになります。
クーラントは、エンジン本体、ホース、ラジエターなどの部品を循環しているため、漏れる可能性がある場所は多岐にわたります。そのときに、クーラントに色が付いていることで、故障箇所をすぐに判断できます」
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クーラントには「不凍液」や「整備のしやすさ」のほかにも、金属を錆びさせない「防錆」という効果があります。
水道水はただの水ではなく、塩素やアルミニウムなどさまざまな不純物が混ざっています。これらの不純物はエンジン内部を錆びさせる原因になります。
クーラントには、金属を錆から守る成分として「防錆添加剤」も含まれており、エンジンを長持ちさせることが可能です。錆や、エンジン故障を避けるためにも、冷却水にはクーラントを使うことを心がけましょう。
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