トヨタ新型「グランエース」の実燃費を検証! VIP御用達の巨大ワゴンの実力は?
意外! 後輪駆動でワインディングの走りが楽しい!
●ワインディング路
走行距離:41.8km
実燃費:8.8km/L
小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースで、いわゆるワインディングといわれるシチュエーション。
グランエースには似つかわしくないシーンかと思いきや、FRレイアウトの恩恵か意外にも走らせて楽しいクルマであることが判明しました。
装着されるタイヤも重い車重に対応するためにLT規格の商用車用タイヤとなっていますが、専用設計されたという事実は伊達ではなく、乗り味は乗用車的。いわれなければ、商用車用タイヤとは気づかないレベルでしょう。
しかし、2.8トン近いボディでターンパイクを駆け上るのは燃費的には辛いものがあるようで、結局下りで燃費を稼いだにもかかわらず8.8km/Lという数値になりました。
とはいえ、動力性能的に不満を感じさせるシーンは皆無だったのはさすがといえるのではないでしょうか。
●一般道
走行距離:76.0km
実燃費:8.4km/L
一般道は、国道134号から国道129号、国道246号を経由して都内にまで戻ります。平日の昼間とはいえ、働くクルマを中心に交通量が多く、ポイントポイントで渋滞が発生しているようなシチュエーションです。
こういったストップ&ゴーが繰り返されるシーンは、重量級の巨体を持つグランエースにとっては厳しいところ。
最大トルクを1600回転で発生させるディーゼルエンジンだけに出足の鈍さは感じませんが、アイドリングストップをもってしても燃費の悪化は避けられないでしょう。
その結果、一般道を76.0km走行して燃費計の数値は8.4km/Lという結果になりました。グランエースのWLTC市街地モード燃費の数値が8.1km/Lなので、こちらもカタログ燃費に近い数値といえるでしょう。
アイドリングストップ機能は常に作動するわけではありませんが、グランエースの場合「エアコン優先」と表示されてアイドリングストップをしなくなるケースが多いように感じられました。
上級送迎車ということで、VIPの快適性を優先したセッティングがなされているのかもしれません。
※ ※ ※
上級送迎車のフルサイズワゴンであるグランエースの燃費は、197.3kmを走行して10.04km/Lという結果となりました。
これはカタログ燃費の10.0km/Lとほぼ同等の数値であり、2.7トン以上の車両重量と空気抵抗が大きそうな四角いボディを持つ車種としては、なかなかの数値といえるのではないでしょうか。
ベースとなったのは、すでに海外で販売中の300系「ハイエース」ですが、開発当初からグランエースありきで作られたモデルということで、200系ハイエースの「グランドキャビン」とは比べ物にならないほど快適性が向上しており、これならVIPが乗っても大きな不満が出ることはないでしょう。
ただし、もともとの成り立ちも考慮すると、やはり快適性ではアルファード/ヴェルファイアの方が一枚上手といわざるを得ないため、使う用途に合わせて選びたいところです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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