トヨタ「ライズ」がどうにもとまらない!? 小さなSUVが販売好調な理由
「ライズ」ノンストップ! でも「ヤリスクロス」が阻止するか?
ライズが売れている理由として、これまでになかった「空白地帯」を埋められたことが大きな要因だといいます。空白地帯とは、どういうことなのでしょうか。
トヨタとダイハツのOEM車は、国内の新車市場における空白地帯を埋める目的があるといいます。現在、ライズとロッキー以外にも両社のOEM車は存在します。
なかでも、ダイハツが開発した小型トールワゴン「トール」と、そのOEMとなるトヨタ「ルーミー」、「タンク」です(スバル向けOEM車「ジャスティ」も存在)。これらの特徴は、国内で人気の高いコンパクトカー(5ナンバー車)のサイズに加えて、ミニバン人気を支える背の高さからなる室内空間の広さとスライドドアを兼ね備えている部分です。
これらの車種は、「普通車から軽自動車に乗り換えするユーザーへの代替案」という販売戦略の一環として投入。また、ダイハツとしては、「軽自動車から普通車へのステップアップ」に最適なクルマという位置づけとなるうえ、コンパクトカー市場に同様のパッケージを持つ車種がスズキ「ソリオ」とそのOEM車くらいしかなく、まさに市場の空白地帯を埋める車種でした。
国内市場の空白地帯を埋めるという部分では、ライズとロッキーも同じだといいます。両車のチーフエンジニアを務めたダイハツ 製品企画部の大野宣彦氏は、次のように話します。
「日本の乗用車市場は毎年横這いの状態ですが、SUVについては年々比率が上がっており、SUVの人気が高まっていることがわかります。
SUVを購入したユーザーに話を聞くと、不満点として『荷室が狭い』『車両価格が高い』『もう少し小回りが利くとよい』などの意見が多く寄せられました。
そこで、コンパクトサイズで広い荷室を持つ、新しいジャンルのSUVの世界があるのではないかと思い、ライズ/ロッキーの開発をはじめました。
ライズ/ロッキーは、軽自動車やコンパクトカーから乗り換えるランクアップや、ミニバンや大型SUVからダウンサイジングなど、幅広いお客さまにマッチするのではないかと思います」
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では、ライズとロッキーこのまま好調に売れ続けるのでしょうか。その鍵を握るのが2020年3月に開催予定だった「ジュネーブモーターショー2020」です。
このモーターショーは、新型コロナウイルスの影響によって中止となりましたが、トヨタはこの場で新型「ヤリス」と同じ新プラットフォーム「GA-B」を用いたコンパクトSUVをお披露目する予定でした。
ショーが中止となったため、詳細は明らかにされていませんがタイなどのアジア圏向けに販売されている「ヤリスクロス」のような車種が登場するとなれば、C-HRよりも室内空間が広く、ユーティリティが向上しているSUVがトヨタのSUVラインナップに加わることとなります。
トヨタは、米国向けなどに日本未導入のミドルサイズやラージサイズのSUVを展開していますが、コンパクトサイズでは欧州などとラインナップの差はありません。
もし、ヤリスクロスが国内市場に導入されるとなると、「低価格&5ナンバーのライズ」、「ユーティリティ&3ナンバーのヤリスクロス」、「スポーティ&個性的なデザインのC-HR」、「オフロード感あるRAV4」、「ラグジュアリーなハリアー」、そして「プラドを含むランドクルーザーシリーズ」など、さまざまなニーズに応えられるラインナップが完成します。
ヤリスクロスが国内市場に導入されるかは未知数なうえ、お披露目されていない以上は販売時期も近くはありません。そのため、当分はライズは安定した販売台数を築けるといっても過言ではないようです。
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