ポールを用いた縦列駐車は無意味!? ドライバーの常識を教習所で教えてくれない訳とは?
ポールを使った縦列駐車の指導に意味はあるのか?
自動車教習所では、ETCやカーナビなど、ある程度普及して一般化された情報は随時追加されています。
ただし、それらは日進月歩で進化するため、細かくは説明されていません。また、セルフサービスのガソリンスタンドやエンジンのスタートボタンなど、一般化しつつある項目に関して紹介はするものの、詳しい解説はありません。
これは、教習所は基本を教える場所であって、運転環境や機能への応用は自分の力でやってもらうという考えがあるからです。その考えを象徴するのが、セダンの教習車です。
「教習生それぞれの細かなニーズに合わせた指導は、関係のない人にとっては不要な時間になってしまいます。そのため、教習所では基本しか教えません。
教習車は現在も多くがセダンのままですが、これが日本のクルマの標準なのかといわれると、正直考えざるをえません。
免許取得後に乗るクルマが車高の高いクルマだったとしても、教習所で基本として学んだことを応用してくださいというしかありません。教習所とはそういう存在なのです」(全指連)
さらに、教習所の指導で多くの人が疑問に思っているのが、縦列駐車や車庫入れの練習用に設置されているポールです。もちろん、実際の路上や駐車場にはポールは立っていません。ポールを使って教習をおこなう理由は、どのようなことなのでしょうか。
「ポールもそうですが、実際に運転すると、S字やクランクコースも街中にはありません。では、どうしてあるのかというと、運転技術向上のためです。縦列駐車の場合も、障害物の代わりにポールがあるのです。
ポールではなくて壁でもいいのですが、ぶつかるとクルマが壊れてしまいます。ポールを用いた教習は、バックで思った方向に曲がれなかった方ができるようになるための、もっとも効率的な練習法なのです。
縦列駐車をできるようにするためとか、そういう狭い範ちゅうの話ではなく、教習所では前進、後退の技術を上げなければなりません。技術を広く向上させるためには、あのような課題が必要なのです」
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教習所では全てを教えるのではなく、この後にドライバーが応用するための基本となる部分を効率よく指導しています。
そしてドライバーは、教習所で身につけた知識や技術を、自分のクルマやスタイルに合わせて応用していくというわけです。
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