なぜディーゼルの信頼回復? 石原元都知事に悪者にされた復権の歴史

最近のディーゼル車に対する印象は?

 乗用車は、トラックやバスに比べれば小型ですが、ディーゼルエンジンのトルクや燃費の良さといったメリットは充分に受けられます。

 しかし、以前までの国産車では、RVやクロスカントリー車(現在のSUV)などの一部の車種を除いて、ディーゼルエンジンを搭載した乗用車はなかなか普及しませんでした。その原因はどこにあるのでしょうか。

 あるマツダ販売店のスタッフは、以下のように話します。

「ディーゼル車は黒煙やススが多く、環境に悪い印象をお持ちのお客さまもいらっしゃいました。現在ではガソリン車と乗り比べても、ほとんど差を感じることはできないレベルになっていますが、昔の悪いイメージがあるのかもしれません。また、お客さまのなかにはディーゼル車に特有の煙のほかにも、音や振動を気にされる方が多いです」

 ディーゼルNO作戦が実施される以前のディーゼル車を知っているユーザーは、「ディーゼル車は黒煙やススが多い」という認識を持つ人もいるようです。

 マツダでは、自社のディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」を、高効率クリーンディーゼルエンジンとして、主力車種に搭載しています。

 このディーゼルエンジンについて、前出のマツダ販売店のスタッフは以下のようにも話します。

「いまのディーゼルエンジンは、ガソリン車と比べて遜色ありません。ガソリン車は、アクセルに対するレスポンスや出足が良いため、街乗りに向いています。ですが、長距離を運転する場合は、高速道路で安定したパワーが出るディーゼル車をお勧めします。

 また、ガソリンと軽油の価格差が以前より小さくなっているため、長距離を移動される人ほど元が取れるため、ディーゼルエンジンのメリットが大きいです」

1.8リッターディーゼルエンジンを搭載するマツダ「CX-30」
1.8リッターディーゼルエンジンを搭載するマツダ「CX-30」

 マツダは、2019年にディーゼルエンジン搭載車の国内販売が50万台を超えたと発表しました。しかし、ディーゼル車特有の問題もあるとされており、ある中古車販売のスタッフは、ディーゼル車について以下のようにも話しています。

「ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて、構造上頑丈に作る必要があります。そのため車重が重くなるうえ、コストも上がる傾向にあります。例えば『マツダ2』では、ガソリン車よりもディーゼル車の方が重く、価格も数十万円上がります。

 また、ガソリン車に比べて頻繁なオイル交換を推奨しています。これは、燃えカスやススが溜まってしまうためで、そのままにしておくと振動が大きくなる原因になります。『ずいぶん乗ったな』と感じた際には、オイル交換をすることを頭の片隅に置いておく必要があります」

※ ※ ※

 現在では、マツダ車以外にトヨタ「ランドクルーザープラド」、三菱「デリカD:5」、「エクリプスクロス」といった車種にディーゼルエンジンが搭載されています。

 多くのユーザーにとって、ディーゼル車は身近なものではありませんでした。そのため、ガソリン車と同じ感覚で乗っていると、思わぬトラブルに見舞われることがあるかもしれません。

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2件のコメント

  1. ガソリンなんて昭和の規制から放し飼いなのにね。
    質の悪い日本の軽油で走るトラックに厳しい規制で浄化装置などによる車両価格上昇、こちらの損失のほうが大きいのではないかな?
    浄化装置のシステム重量で損なわれる積載量やら、ドライバー不足に火を点けて油を注いだのは明らかに政の陰謀だろ。

  2. また、ガソリンと軽油の価格差が以前より小さくなっているため、長距離を移動される人ほど元が取れるため、ディーゼルエンジンのメリットが大きいです

    燃料の価格差が小さくなっているなら、メリットも小さくなっているのでは?

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