売れ筋車種はいつも同じ顔ぶれ? 人気車と不人気車の格差が広がる理由とは
軽自動車の人気車種はホンダ「N-BOX」やダイハツ「タント」、普通車ではトヨタ「プリウス」や日産「ノート」がつねに販売ランキング上位にランクインしています。なぜいつも同じクルマばかりが売れ続けるのでしょうか。
新車販売ランキングは優れたクルマを判断する目安になる?
軽自動車の人気車種はホンダ「N-BOX」やダイハツ「タント」、普通車ではトヨタ「プリウス」や日産「ノート」がつねに販売ランキング上位にランクインしています。なぜいつも同じクルマばかりが売れ続けるのでしょうか。
全国軽自動車協会連合会と日本自動車販売協会連合会では、軽自動車の届け出台数と小型/普通車の登録台数を集計して毎月公表しています。これにより新車の月別販売ランキングも明らかになります。
年別の集計も可能で、2019年1月から12月の年間新車販売ランキングは、1位がホンダ「N-BOX(スラッシュ含む)」、2位はダイハツ「タント」、3位はスズキ「スペーシア」、以下日産「デイズ(デイズルークス含む)」、トヨタ「プリウス(PHV、α含む)」、ダイハツ「ムーヴ(ムーヴキャンバス含む)」、日産「ノート」、トヨタ「シエンタ」と続きます。
2019年は新車として売られたクルマの37%が軽自動車だったので、販売ランキングの上位にも軽自動車が多く並びます。とくにN-BOX、タント、スペーシアの上位3車は、すべて全高が1700mmを超えるスライドドアを備えた軽自動車で、このタイプが圧倒的に売れています。
詳細な販売データがあると、売れ筋モデルの動向も正確に把握できますが、このような販売ランキングデータは、クルマを購入するときにどのように役立つのでしょうか。
販売ランキングの上位に位置する車種は、大量に売られて多くのユーザーに使われている実績があることから、優れた商品であると考えられます。
クルマのニーズは個々のユーザーによって異なるため、人気車でもライバルと比較するなど慎重に選ぶ必要はありますが、販売ランキング順位は優れた商品を選ぶ目安にはなるでしょう。
そして新車販売が好調であれば、中古車になっても人気を保てる可能性が高いです。新車の販売台数が過度に多いと、中古車市場の流通量も増えて値落ち傾向が生じる場合もありますが、不人気車のように買い叩かれる心配はありません。人気車なら数年後の売却価格もある程度は期待できます。
そうなるとメーカーや販売会社は、人気車の売れ行きをさらに伸ばすため、残価設定ローンの残価率を高めたり低金利を実施して月々のローン返済額を安く抑えます。好調に売れるクルマはますます購入しやすくなり、不人気車との販売格差が一層拡大するのです。
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このような事情もあり、販売ランキングの上位車種は、時間を経過しても顔ぶれがあまり変わりません。冒頭で述べたN-BOX、タント、ノート、シエンタなどは、好調に売れる常連車種です。
もともと商品力が高く、残価設定ローンの返済額を抑えたりディーラーオプションのサービスなども充実しているため、安定的に高い売れ行きを保っているのです。
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