スーパーを超えるハイパーターボ? 最近聞かなくなった車用語5選

空気をせき止めるものとは!?

●エアダム

かつてのレーシングカーでは必須アイテムだった「エアダム」
かつてのレーシングカーでは必須アイテムだった「エアダム」

 クルマの空力性能を表す要素のひとつに「CL値」があります。これはクルマを浮き上がらせようとする揚力係数の略記号で、数値が小さいほど高速走行時に安定性が高いクルマとなります。

 そのため1970年代ごろのレーシングカーではフロントの接地力を向上させる目的で、走行時の車体下面への空気流入をダムのようにせき止め、優れたCL値を実現する「エアダム」(エアダムスカート)を装着していました。

 かつて、日産「サニー」「スカイライン」やトヨタ「セリカ」「カローラ」などのカスタマイズにエアダムが流行したこともあります。

 後に市販のエアロパーツが一般的になり、フロントバンパーと一体式になった大型のスポイラーを「フロントバンパースポイラー」、バンパー下部に装着するものを「チンスポイラー」(チンは顎の意味)や「リップスポイラー」と呼ぶようになり、エアダムという言葉を聞くことはなくなってしまいました。

●2ボックス、3ボックス

メーカーも「2ボックス」というワードを使っていた(画像はマツダ「ファミリア」)
メーカーも「2ボックス」というワードを使っていた(画像はマツダ「ファミリア」)

 クルマのボディ形状を表す用語で、仕切られたスペースの数を数字と「ボックス」で表していた時期がありました。

 現在も商用バンを「1ボックス」と呼びますが、当時はトランクを持たないハッチバック車を「2ボックス」、セダンなどキャビンスペースと遮断されたトランクを有するものを「3ボックス」と呼びました。

 1980年代を中心に、メーカーもハッチバック車を発売すると2ボックスという言葉を普通に使っていましたが、現在では「コンパクトカー」に集約されているようです。

 さらに、1ボックスの前輪を車体前方にレイアウトして、短いボンネットを持つセミキャブオーバータイプのボディを「1.5ボックス」と表現していたこともありましたが、こちらは完全に聞かなくなってしまいました。

※ ※ ※

 5つ挙げた例以外にも、中古車情報雑誌などの掲載で「CS」と書かれているものがありましたが、昭和の頃は「カーステレオ」(またはカセットステレオ)を表す表示でした。

 現在ではカーオーディオの多機能化により「USB入力端子」や「Bluetooth接続」などの表記の方が目立つようになって、カーステレオという言葉も聞かなくなっています。

 時代の流れにあわせてクルマに求められる機能が換わっていくのと同様に、これからも用語はどんどん変わっていくでしょう。

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