SUVは多すぎ!? 市場に供給過多でも新型モデルが投入される理由とは
国内市場では新型SUVモデルが続々と登場し、SUV市場が盛り上がっています。一方で、好調を維持しているように見えるミニバン市場が縮小傾向にあるようです。SUVとミニバンには、どのような関係性があるのでしょうか。
SUVは増えすぎた? 今後のSUV市場はどうなる?
国内市場において、SUVの新型モデルの投入が止まりません。2018年、2019年と国産メーカー各社は次々に新型モデルを登場させましたが、2020年も新型モデルや既存のフルモデルチェンジが続くようです。
すでに国内のSUV市場には、供給過多ともいえるほどラインナップが豊富ですが、今後のSUV市場はどうなっていくのでしょうか。
近年の国内市場におけるSUV(登録車/軽自動車)の販売台数推移は20万台強でしたが、2018年には約65万台を記録して、2019年には70万台に近い台数になっています。
直近約2年に登場した国産新型SUVとしては、三菱「エクリプスクロス」やダイハツが開発を主導したダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」、20年ぶりにフルモデルチェンジを遂げたスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」、5代目となるスバル「フォレスター」などが挙げられます。
また、販売低迷などによって一時期は国内市場から撤退していた、トヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」も復活を果たすなど、まさに「SUV時代」です。
新車市場で大きな販売シェアを持つ、トヨタには前出のライズ、RAV4をはじめ、「C-HR」、「ハリアー」、「ランドクルーザープラド」、「ランドクルーザー」と、細かなニーズやターゲット層を狙うようなモデルがラインナップされています。
またマツダは、2017年12月に3列シートSUVの新型SUV「CX-8」を投入した際、当時ラインナップされていた「プレマシー」などのミニバンの生産終了をアナウンス。
3列シートSUVは年間約3万台規模で、20倍以上の市場規模を持つミニバン市場から撤退するということで大きな話題となりました。
さらに、マツダは2019年10月に「CX-30」を追加したことで、「CX-3」「CX-5」「CX-8」と合わせて4種類のSUVモデルをラインナップしています。
国内のSUV市場について、マツダの国内営業本部の担当者は次のように説明しています。
「国内のSUV市場は伸び続けているといえ、直近でも新型SUVの投入は続いており、2020年もさらに伸びると想定しています。
一方で、セダンやミニバン市場の縮小傾向が続くなか、SUVの構成比は2010年からの9年間で2.5倍増となり、2018年には日産『セレナ』やトヨタ『アルファード』などのミドル・フルサイズミニバンと同等の構成比です。
そのため、SUVは登録車全体で高い構成比を占める小型ハッチバック(アクアやマツダ2など)に次ぐ、2位規模の市場に成長しているといえます」
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増え続けるSUVモデルの販売面について、トヨタやマツダの販売店はどのような反応なのでしょうか。
トヨタの販売店スタッフは次のように話します。
「トヨタは、異なるサイズや用途のSUVラインナップを揃えており、お客さまはトヨタブランドのなかで自分の好みにあったSUVを選ぶことができます。
これまでは、販売店によって購入できるモデルが異なっていましたが、2020年5月からは全店で全モデルを購入できる予定です。
モデル単体で見ると、RAV4やライズ、C-HRが比較対象となり、お客さまを取り合っているという見え方も出来ますが、販売側としては他社のSUVと比較されている訳ではなく、同じトヨタ内で検討される余地があるというのは心強いです」
同様にマツダの販売店スタッフは、「コンパクトSUVのCX-3とミドルサイズSUVのCX-5では、囲えないお客さまに対して、その間に位置するCX-30という、おすすめできるサイズのモデルが出てくることは嬉しい限りです」と話しています。
また、ダイハツとトヨタのロッキー/ライズも、細分化するニーズを埋めるモデルとして導入されたようです。
2020年には、新型モデルとしてハリアーやランドクルーザー、そしてトヨタの新型「TJクルーザー」などの登場が噂されています。
さらに、マツダは電気自動車のSUV「MX-30」を日本で発売する予定もあり、供給過多となりつつも、さらなるSUVモデルが出てくるようです。
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