なぜ三菱の新型車はオラオラ顔になる? デザインが統一化される理由
三菱のオラオラ顔は成功した?
現行モデルのデリカD:5は、5代目モデルとして2007年にデビューし、2020年で発売開始から約13年を迎えました。
一般的な国産車のモデルライフは4年から6年のため、デリカD:5の13年はかなり長い部類に入ります。モデルライフが長いと、大きな変化がない限り販売台数は減少するのが一般的です。
しかしデリカD:5は、モデル末期となるビッグマイナーチェンジ前でも月間に1000台ほどを販売する人気モデルでした。
そのため、2018年11月21日にフェイスデザインをはじめとするデザインやパワートレイン、静粛性などの改良内容を発表した際には、大きくイメージチェンジをしたデザインに対して、ユーザーからは「デリカらしくない」「前の方が良かった」など酷評が相次ぎました。
その後、実際にデリカD:5が発売されたのは、2019年2月15日です。同年1月時点の登録車販売台数は943台となり、全体48位にランクイン。ビッグマイナーチェンジが正式発売される前にも関わらず、大きく数字を減らしてはいません。
翌2月では全体36位の1771台となり、3月には全体26位の5288台と大きく数字を伸ばしています。これは、予約受注分の登録が出来た数字も含んではいますが、フルモデルチェンジではないマイナーチェンジにしては大きく稼いだ数字です。
一般的には、マイナーチェンジを施しても販売台数に大きな影響は出にくいとされていますが、4月以降の販売台数でも平均1500台を記録。当初の2019年度販売目標では、月間1500台とし概ね目標を達成していることから、ビッグマイナーチェンジは成功したといえます。
また、同年3月に約6年振りのフルモデルチェンジをおこなった新型「eKワゴン」の派生モデルとして登場したekクロスも、ダイナミックシールドを採用したデザインがデリカD:5と同様に大きな話題となりました。
三菱独自のSUVテイストを持つ軽自動車で、SUVらしい力強さをハイトワゴンに掛け合わせた(クロスさせた)ことから命名されました。
デリカD:5やeKクロスの販売状況や、今後市販化が予定されているスーパーハイトKワゴン・コンセプトについて、三菱の販売店スタッフは次のように話します。
「大きくデザインを変更したデリカD:5が登場した際には、既存のデリカオーナーから不評な声も一部ありました。しかし、デザインはある程度経つと見慣れるもので、発売のタイミングではデザインに対する声はあまり聞いていません。
また、eKクロスでは、大人しめなeKワゴンに対してアクティブさが特徴なことや、デリカの登場後ということもあり、すんなり受け入れられたようで、販売も好調です。
新しいスーパーハイトワゴンに関しては、詳細な情報はまだありませんが、eKクロスのデザインが好評なこともあり、それに加えて利便性が向上するスライドドアが付いているので、販売店としては楽しみな1台です」
※ ※ ※
前述のスーパーハイトKワゴン・コンセプトは、このeKワゴン/eKクロスをベースにしていとみられ、2020年1月時点では、先代「eKワゴン」をベースにした「eKスペース/eKスペースカスタム」がラインナップされています。
今後、スーパーハイトKワゴン・コンセプトが市販化される際に、今回のフェイスデザインがeKスペース/eKスペースカスタムのどちらに採用されるかは未定ですが、デリカD:5からeKクロスの流れを汲んだ、三菱のオラオラ顔デザインは暫く続きそうです。
オラオラ顔は嫌いです。後ろからくると嫌です。特にワゴンがせってくると煽られているように感じます。