国内自動車メーカーの社長や副社長が授業? 学生に大人気「大学出張授業」で何を伝えているのか

国内の自動車メーカーのトップが大学生に講義をおこなう「大学キャンパス出張授業」という催しが、2019年で7年目を迎えました。講義するのは、慶應義塾大学卒の日産 星野朝子 副社長など、豪華な顔ぶれです。はたして、どんなメッセージを学生に伝えているのでしょうか。

慶應卒 日産副社長は、母校で学生に何を語った?

 毎年、秋に全国各地の大学で開催される「大学キャンパス出張授業」が学生たちに大変好評です。主催するのは国内の自動車メーカー14社で組織される日本自動車工業会。講演者は会長、社長、副社長など、自動車メーカーのトップです。

 はたして、大学生にどんな授業をおこなっているのでしょうか。

慶應義塾大学でおこなわれた日産自動車 星野朝子 執行役副社長の「大学キャンパス出張授業」の様子
慶應義塾大学でおこなわれた日産自動車 星野朝子 執行役副社長の「大学キャンパス出張授業」の様子

 大学キャンパス出張授業は2013年にスタートしました。最初は4輪メーカー8社で始まった催しですが、2019年はトラックや2輪メーカーも加えた14社のトップが授業をおこないました。

 若い世代の人にものづくりの魅力や先端技術、グローバル戦略に至るまで幅広いテーマで授業をしています。

 自動車メーカーのトップが学生たちに直接語り掛け、また、学生からの歯に衣着せぬ自由な質問に対しても自らが真剣に回答するという、ほかにあまり例がない催しであることが大きな魅力です。

 筆者(加藤久美子)は、初めて大学キャンパス出張授業を取材しました。訪れたキャンパスは慶應大学の湘南藤沢キャンパスと矢上キャンパス、そして早稲田大学の早稲田キャンパスです。

 いずれも会場には多くの学生が集まり、通路にまで学生が溢れていました。また、会場近くの屋外には各社の最新モデルやレース車両などが展示され、こちらも大人気となっていました。

 各会場では、どのような授業がおこなわれたのでしょうか。

●慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)

・日産自動車 星野朝子 執行役副社長(慶應義塾大学 経済学部 1983年卒業)

ーー大学時代の思い出は?

「統計学テキスト全問題完全突破。テニス。恋愛。」

ーー大学生へひとことお願いします

「自分へ投資できる最後のチャンス。勉強もスポーツも遊びも、思いっきりやって、たくさん学んで下さい」

 星野朝子副社長の講義は、SFCで毎週おこなわれる「国際企業論」の授業の一環として実施されました。

 講義内容のメインは、電気自動車の普及を通じて社会の変革、地域課題の解決に取り組む“日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」”についてです。

 2019年9月に千葉県を襲った台風15号によって大規模停電が発生した際、日産は53台のリーフを被害地域に貸し出して、精密医療機器を使うために安定した給電が必要な老人ホームなどで活用されました。

 またリーフの「寿命」を迎えた電池が有効活用されている事例なども紹介され、学生たちは興味深く聞き入っていました。

 特筆すべきは「質疑応答」時間の長さです。国際企業論の講義時間は90分でしたが、その半分近い40分という長い時間が質疑応答のために使われました。

 しかし、結局授業時間のなかでは終わらず、時間終了後は屋外に移り、星野氏は学生からの質問に質問者がいなくなるまで個別に真剣に答えていました。最後には、「日本はまだこれからも大丈夫!」という力強いひとことを述べていました。

 なお、この会場では日産の新型「スカイライン」が展示されました。

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